5円引き怪獣カードとは?
今を去ることウン十年前。筆者がご幼少のみぎり、世の中には「駄菓子屋」という子供たちのパラダイスが存在した。
今で言うなら小学生専用コンビニといった趣きの店である。
名前のとおり、飴玉とか酢昆布とかチューブチョコとかチクロジュースとか、そういう自然食品とは縁遠い駄菓子を売っていて、大概60過ぎの婆さんが経営者だったりしたものである。
その駄菓子屋に、「引き物」とか「当て物」といった類の商品が販売されていた。
5円とか10円とか、なけなしの小遣いをはたいて「くじ」を引き、景品を貰うという、ギャンブルのお試し版入門編みたいな奴である。
中でも「引き物」と呼ばれる商品は、袋の中にカードが入っていて、それが30枚ほど束になって紐でくくられており、お金を払って1枚引くことが出来るというシステムになっていた。
5円で1枚引けるから5円引き。10円で1枚なら10円引きというわけである。
これらの5円引きカードといえば、大抵、絵だか写真だかもよく解らない時代劇の役者絵やプロ野球選手のブロマイドなどであったのだが、時は昭和42年、我らがウルトラセブンの放映前後に登場した「ウルトラセブン」の5円引きブロマイド
を発端として、小学生の間で空前の5円引きブームを生むのであった。
筆者も些少ながら5円ブロマイドのコレクションを再開しているのであるが、この世界には達人が多く、既に分析分類などもほとんど完了してしまっているため、何を今更という気がしないでもなかったのであったのだが・・・