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ウルトラマン怪獣で最強だったのは、最終回に登場した宇宙恐竜ゼットンであった。
強かったなあ。スペシウム光線なんか全然効かない。
「ゼットン」という名は、アルファベットの最後の文字「Z」と五十音の最後の文字「ん」を組み合わせた物で、最終最強の怪獣という意味が込められているそうである。
カミキリムシをモチーフにしたようなデザインが特徴的であった。
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「ピポポポポ」という電子音と、ロボットのような固い動きが、圧倒的な強さとあいまって、まさに最強の敵というイメージを強くしている。「ゼットン・・・」と不気味に喋っているように聞こえる声も恐ろしさを増していた。
尻尾の無い、宇宙人体型なのに宇宙「恐竜」というネーミングが付いているのも謎であった。ウルトラマンは怪獣には強かったが恐竜には弱かったという事なのか。いずれにしても特別な存在であるからこその「恐竜」なのだろうか。
ゼットンを倒したのは科特隊の新兵器ペンシル爆弾であった。
「ウルトラマン」では、最終回に近づくにつれ、科特隊の存在意義を問う話(酋長怪獣ジェロニモン)などが出てくるのだが、この最終回では遂にウルトラマンの手を借りず、自らの力でウルトラマンをも倒した怪獣を撃退する兵器を生み出す事に成功する。
最終回の準備稿では、ゼットンを倒すのは科学特捜隊ではなく、ゾフィーだったそうである。
ウルトラマンの仲間に倒されるのでは、科学特捜隊の存在意義は無くなってしまう。ウルトラマンの力を借りずとも、自立することが出来るという意味は大きい。それでこそ、ウルトラマンの最終話に相応しいストーリーとなるのだ。
・・・ってなわけで、ゼットンは色々な意味で我々怪獣好きにとってはエポックメイキングなヤツであったのだが、、、
バルタン星人とともに、ゼットンは以後のウルトラシリーズに何度も登場してくるようになる。
「帰ってきたウルトラマン」最終回に登場したゼットンは、酷い出来であった。
我輩、テレビの前で絶叫したのを覚えている。「こんなダサい怪獣!ゼットンじゃない!!」
まあ、機会があったらDVDでも見て頂ければ分かるのであるが、このゼットンの造形は最悪であった。ウルトラファイトかよ!!ってな感じである。
しかもスペシウム光線でやられちゃうんだよ。お前、本当にゼットンかよって感じだったなあ。
「帰りマン」は、我が愛しの榊原るみさんと岸田森がシリーズ中盤で死んでしまうという強烈なストーリー展開で、このあたりまではシビアな設定が非常に面白かったのに、後半、対象年齢層を下げたのか、急に子供じみた話やウルトラファイトの着ぐるみみたいに造型の悪い怪獣が増えてしまったのが惜しまれる。特に、最終回の「ウルトラ五つの誓い」では本当にズッコケたね。
- 一つ、腹ペコのまま学校に行かぬ事。
- 一つ、天気のいい日に布団を干す事。
- 一つ、道を歩く時には車に気を付ける事。
- 一つ、他人の力を頼りにしない事。
- 一つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶ事。
子供相手なんだから、これはこれでいいんだろうけど、放送当時10歳だった私にはかなり幼稚な内容に感じてしまったものだ。
今思えば、あれが私の怪獣卒業の第一歩だったと言えるのかもしれない。
これ以降も他のウルトラシリーズで何度かゼットンは復活しているが、いずれも初代を凌駕することは出来なかった。
そういう意味で、これらの復活ゼットンは、ある意味「パチモン」と言えるかもしれない。
まあ、そんなわけで、皆様よーくご承知のとおり、今回の怪獣はゼットンのパチモンなわけだ。
それでは早速見てみよう。惑星怪獣ベゴビアー!
いやはや、まさにゼットンである。そのものだね。
出身地は「宇宙のどこか」だそうだ、いい加減だよなあ。
でもさ、こいつ、確実に「帰りマン」のゼットンよりカッコいいぞ。