筆者の購入したDVDや本、鑑賞した映画、テレビ番組、コンサート等のインプレッションを書いています。
Top > 映画/ドラマ > 特撮

●サンダーバード(第1部)

cover 東北新社

1964年製作:NHK放映
画像をクリックすると、amazon.co.jpでDVDを購入する事が出来ます。

【説明不要の名作!】

何も説明する必要は無いでしょう。
子供向けTV特撮の不朽の名作、サンダーバードです。
この商品は前半16話のセットになっています。

さて、サンダーバードのすばらしさは、その特撮のリアルさに尽きると言っていいでしょう。
指令を受けてから、サンダーバード号に乗り込み、発進するまでの病的なまでに細かい描写には舌を巻きます。
私と同じ昭和30年代生まれの世代なら、滑り台で2号の発射ごっこをした方々も多かったでしょうね!

さて、この執拗なまでのメカ描写には理由がありました。
はじめ、30分番組として撮影していたものを1時間番組に編集しなおしたため、メカ発射の描写を克明に行わないと間が持たなかったというわけなのです。
第1話で、一旦救助に失敗し、再度チャレンジするというストーリーになっているのも、時間調整のためのようです。そのために、かえって非常にリアルで詳細な発射シーンと、スリルたっぷりの救助シーンが作成され、それがまた、サンダーバードの魅力を広げるひとつとなったというのですから、世の中わからないもんですね。

ちなみに私が大好きなのは、やっぱり2号の発進シーンです。
滑り台のような乗り込み台に頭から乗り込むバージル。途中で滑り台が回転したり、運転席に付いてボタンを押すとユニフォームが出てくるというギミックには拍手もの!
崖のゲートが空き、椰子の木が倒れ、滑走路からカタパルトに到達し、カタパルトが角度を上げていくと、ジェット噴射を当てるためのガードフェンスが出てきます。
普通、こんなに細かい描写はしないですね。まさにオタクなんでしょう。
「こだわる」という事は、行き過ぎると嫌味でしかないですが、サンダーバードのこだわり方は、非常にバランスが取れていて好感が持てます。

ところで、メカや特撮は異常なまでにリアリズムを追及していますが、一方の出演者たちは4頭身のお人形さんです。
これがまた妙に不自然なんだけど、話に見入って行くと不自然さを全く感じなくなります。
これって、凄いことだなあ、と思います。
ITC(サンダーバードの製作会社)は、これ以後キャプテンスカーレット、ジョー90で8等身の人形を使い、より実写に近い作品を作り出していきますが、私は敢えて8頭身のものよりも、この4頭身のサンダーバードの方が割り切って見られる分、良いのではないかと思ってしまいます。

全部で16話もあるので、ストーリー解説のようなものはしませんが、ある意味荒唐無稽とも言えるストーリー展開に苦笑する事もしばしば。
特に悪役「フッド」の間抜けぶりには爆笑させられますね。
メカがリアルな分、破天荒なストーリーでバランスを取っていると言う事もあるかもしれません。「エンパイヤステートビルを立ったまま移動させちゃう」なんて、普通考えませんよ!!!しかも失敗するし!!(失敗しなくちゃサンダーバードは出て来ませんが)

もうひとつ、サンダーバードの世界を広げて、楽しいものにしている設定に「ロンドン秘密情報部員のペネロープ」の存在があります。
彼女は英国一の大金持ちで美人。そんな上流階級のお嬢様が、元金庫破りのパーカーを執事にして、サンダーバードのバックアップを行うためにピンクのロールスロイスで007ばりの大活躍!!!
もう、このペネロープの設定だけで勝ったも同然です。
サンダーバードなんか無くても、「ペネロープ&パーカー」なんていう番組だって作れちゃいそうです。
そういう設定を、惜しげも無く投入しているというのも、サンダーバードの魅力のひとつと言っていいでしょう。

あと、忘れてならないのがBGMですね。
サンダーバードのBGMは、フルオーケストラを使った壮大なもの。
メカの動きに合わせてオーケストラが合わせて演奏するなんて、まさにバレエやオペラの世界に近いものがあります。
これも、日米の多くの特撮番組に影響を与えました。
スターウォーズの15年前ですからね。如何に先進的だったという事が分かるでしょう。

デジタルリマスターの影響で、放映当時には分からなかった釣り糸がバッチリ見えちゃうのはご愛嬌としても、製作されてから40年近くなろうとしている現在でも、充分に楽しめる特撮番組という意味で、稀有の作品だと思います。必見!!