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●サイコキラー77 / トーキング・ヘッズ

TalkingHeads:77 / Talking Heads




  • Uh-Oh, Love Comes to Town
  • New Feeling
  • Tentative Decisions
  • Happy Day
  • Who Is It?
  • No Compassion
  • Book I Read
  • Don't Worry About the Government
  • First Week/Last Week ... Carefree
  • Psycho Killer
  • Pulled Up





    • David Byrne / guitars,vocals
    • Martina Waymouth / basses
    • Jerry Harrison / keyboards,guitars,vocals
    • Chris Frantz / drums




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この不安定感がたまらない。

Remain in Lightであまりにも有名になったTalking Headsのデビューアルバム。

ヘタである。
演奏は上手いが歌が下手クソだ。
しかし聴けてしまうのがDavid Byrneの凄さである。下手なのが「ヘタ」という概念ではなく、「不安定と」いう認識になってしまうのだ。
この不安定感は、この時代の他のアメリカン・パンクと呼ばれる一部のバンドに共通したイメージがあり、Televisionなんかにも通じるものがある。
この神経質なオタク学生のようなバンドがCBGBあたりでRamonesVoidoidsなんかと一緒に演っていたと思うと痛快だ。
世の中ではパンクとかニューウェーブを一括りにして語ってしまうが、パンクと言っても千差万別。プログレなんかに至ってはまるで共通性が無かったりするから、そのようなジャンル分けは無用だと常々思っている。

こうやって久々に聴きなおしてみると、1曲目からtalking drumなんかを使っていて、Remain in Lightに繋がる民俗音楽的イメージが既に隠れ見えているのが分かる。
ただ、Remain in LightからTalking Headsを聴き出した人は1曲目のイントロを聴いたらズッコケるかもしれない。私もズッコケた。
しかし、2曲目のNew Feelingや6曲目No Compassionなどは、まさにRemain in Lightにも繋がっていくDavid Byrne節とも言える曲の流れになっており、中だるみしそうな所をビシっと締めてくるのがニクイ曲編成だ。
特にNo Compassionは3部構成になっていてなかなか聴かせる曲である。特に中盤の転調してからのフレーズはかなり好き。
ボーっと聴いていると別の曲が始まったのかと思ってしまう。

そこそこの佳曲が並んでいるのであるが、聴きどころは、やはりシングルカットされた10曲目Psycho Killerか。
サビの部分は力強い音なのだがDavid Byrneが歌うと何とも倦怠感たっぷりになってしまって、それがとても良い味を出している。
ハードロック系のボーカリスト(例えばJourneySteeve Perryとか)が歌ったら全然違う歌になっちゃうだろうな(絶対歌わないだろうけど)

雀坊堂はスピード感がある曲が好きなので、このアルバムの中では11曲目のPulled Upが一番好きだ。

しかし、このアルバムを今回じっくり聞きなおしてみると、あちこちで耳なじみの良いフレーズが聞こえてくる。
80年代以降の多くのバンドがこのアルバムに影響されたんだなあ、という事が良く分かる。
7曲目のイントロなんて、もろに「じゃがたら」の裸の王様だもんな!

なお、余談であるが、紅一点、ベースのTina Waymouthの名前は、このアルバムでは正しくMartinaとクレジットされている。
また、日本盤では「サイコキラー77」という邦題が付いたのでそれに倣ったが、オリジナルは赤いジャケットにTalkingHeads:77とだけ書かれたシンプルなものである。