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●ポセイドンのめざめ / キング・クリムゾン

  1. 平和/序章
  2. 冷たい街の情景(インクルーディング:トレッドミル42番地)
  3. ケイデンスとカスケイド
  4. ポセイドンのめざめ(インクルーディング:リブラのテーマ)
  5. 平和/テーマ
  6. キャット・フード
  7. デヴィルズ・トライアングル (i) マーデイ・モーン (ii) ハンド・オブ・セイロン (iii) ガーデン・オブ・ワーム
  8. 平和/終章


    • Robert Fripp / Guitar, Mellotron, & Devices
    • Greg Lake / Vocals
    • Michael Giles / Drums
    • Peter Giles / Bass
    • Keith Tippett / Piano
    • Mel Collins / Saxes & Flute
    • Gordon Haskell / Vocal
    • Peter Sinfield / Words

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ロバートフリップに作曲の才能は無い

キングクリムゾンのファンは懲りていない。
このバンドは数度の解散、再結成を繰り返しながら現在に至っているが、あまりにも第一作(クリムゾンキングの宮殿)のインパクトが高かったため、「次こそは」と期待させながら延々とファンに駄作を提供し続けているのである。
駄作しか出ないのであれば、そのうちファンからそっぽを向かれてしまうのであるが、「太陽と戦慄」という大傑作を発表してしまったのが間違いの始まり。
その後、決定打には欠けるものの、「レッド」「ディシプリン」「VROOOM」と、そこそこのクオリティを持つアルバムをちょこまかと発売するのであった。
で、その間にリミックスだの別テイクだのといった同じ曲の使いまわしアルバムを山のようにリリースする。
そうしてファンから金を湯水のように絞り取るのがRobert Fripp流錬金術なのである。
ならば、買わねば済むだけの事なのに、ついつい買ってしまうのは、 Robert Frippがコレクター心理を充分に理解しているからとしか思えない。
キングクリムゾンというバンドはまさに音楽をコレクションする人のために存在するバンドである。

で、このアルバム。
Robert Frippによる偉大なる錬金術の始まりとなるアルバムだ。
全曲、「宮殿」をモチーフにした内容で、しかも曲のクオリティが「宮殿」より低いとあっては、酷評されるのも止むを得まい。
「平和」をアルバムコンセプトにしているものの、その主題を生かしきれておらず、曲のモチーフが「宮殿」のコピーになっているため二番煎じ的イメージを拭いきれない。

実はこのアルバムから、前作でのメイン作曲者であったIan McDonaldが脱退しており、作曲能力に欠けるRobert Frippは、旧作の焼き直しでお茶を濁しつつ、何とか1枚のアルバムを作り上げたという感じに見えてしまうのであった。

アルバム全曲を1曲ずつ紹介するほどのものではないので、1曲だけ。
このアルバムを買う価値があるとすれば、それは6曲目の「キャット・フード」を聴くためだけにある、と言えよう。
Keith TippettのブレイクなピアノとRobert Frippのギター、そしてGreg Lakeのボーカルが絡み合い、なかなかの佳曲に仕上がっている。

なお、本コメントではアルバムタイトルをLP時代に倣い「ポセイドンのめざめ」としたが、 これは誤訳で、in the wake ofは、「航路を追って」とか「踏襲して」という意味だそうである。
「宮殿」を踏襲したアルバム、と解釈すれば、ここまで同じようなコンセプトのアルバムになったのは納得の行くところと言えるかもしれない。

2006.1.23追記
しばらく流通の途絶えていたキングクリムゾンの名盤がまたもや紙ジャケット仕様でリリースされる。
もう買うまでも無いと思っていたのであるが、一番売れ行きの悪そうなこのアルバムには、アルバム未収録シングル曲'Cat Food''Groon'が追加されている。
コアなクリムゾンファンならば、この2曲は「紅伝説」等で購入済みであるかと思うが、新たに購入されるのであれば、この最新盤を購入されると良いだろう。