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●リメイン・イン・ライト / トーキング・ヘッズ

Remain In Light / Talking Heads




  1. Born Under Punches (The Heat Goes On)
  2. Crosseyed and Painless
  3. Great Curve
  4. Once in a Lifetime
  5. Houses in Motion
  6. Seen and Not Seen
  7. Listening Wind
  8. Overload


    • David Byrne / guitars,basses,keyboards,percussion,vocal
    • Tina Waymouth / basses,keyboards,purcussion
    • Jerry Harrison / guitars,basses,keyboards,percussion
    • Chris Frantz / keyborads,drums,percussion
    • Adrian Belew / guitars
    • Brian Eno / basses,keyboards,percussion,vocal
    • Jose Rossy / percussion
    • Robert Palmer / percussion
    • Nona Hendryx / vocal
    • Jon Hassell / trumpets and horn arrengements
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アフリカンビートとロックの融合

「傑作」という言葉はできるだけ使わないようにしたいのであるが、これは掛け値なしの傑作である。
どちらかと言えばアメリカン・パンクロック・シーンの中に居たTalking headsBrian Enoというプロデューサーを得て作成した傑作アルバムだ。
私はBrian Enoの環境音楽を全く評価しないのであるが、彼がやってきた仕事の中で、これだけは立派であったと褒めて遣わしたい。
ロックンロールはコード変化によって楽曲に流れを作っていく。ブルースはC,F,Gというコード進行で全てが形作られる。
しかし、アフリカンビートにはコード変更は無い。基本的にシングルコードの中で同じリフが繰り返され、激しいビートのリズムに乗ってうねる様に流れていくのである。

そのアフリカンビートの流れを大胆にロックに取り込んでいったのが本作である。
同じリズムの繰り返しはBrian Enoの十八番であって、Fripp&Enoのアルバムでも顕著であるが、David Byrneのセンスの良さが、冗長的になり勝ちなサウンドを上手く纏め上げている。
悪く言えばコマーシャリズムにおもねっているとも言え、事実発表当時はクソ味噌に貶した評論家も居た。

しかし、最近になって聴きなおしてみても、全く色褪せていない音は、やはりこのアルバムが傑作であった事の証明でもあろう。
即興的な歌詞に殆ど意味はない。アフリカンなビートなのにやけに都会的な香りがする。
そのあたりのセンスは恐らくBrian Enoというよりも、David Byrneの感覚なのであろう。
同様のコンセプトで作成された、Tina WaymouthによるTom-Tom-Clubがよりアフリカンな感覚に満ちていた事からも、都会的イメージは明らかにDavid Byrneのものだ。
ズート・スーツ言われる、だぶだぶでありながらピシッとしたスーツを着込んだDavid Byrneは無茶苦茶カッコイイ。

では、例によって1曲ずつ簡単なコメントを書いておこう。


  1. Born Under Punches (The Heat Goes On)
    のっけからパンチのあるビートの利いたリズムに民族音楽的なヴォーカルが重なる。
    ミディアム・テンポながらノリの良い曲である。
  2. Crosseyed and Painless
    Adrian Belewのギターを効果的に配した軽快なサウンド。シングルカットされただけあって、なかなかまとまっている。歌詞はでまかせのようで、英語が良く分からない私には本来の半分も楽しめないんだろうな!残念!!
  3. Great Curve
    全8曲中、最もテンポの良い曲。
    輪唱のように重なるボーカルがとてもよい。ホーンセクションの絡み方もオシャレである。
    後半のAdrian Belewのギターは、ややウザったいかも。
  4. Once in a Lifetime
    一転してシンセサイザーによる都会的サウンドで始まるが、途中のサビの部分の歌はまさにエスニックテイストで不思議な感じのする曲。
    途中で絡むシンセサイザーの記号的な音が実にイーノっぽくてちょっと嫌。
  5. Houses in Motion
    アルバムの中では最も呪術的な匂いのする曲。
    途中から入ってくる抜けた音のホーンセクションは、途中から女性の声のように聴こえてきて何とも不気味。
  6. Seen and Not Seen
    後半になって、音はどんどん暗く、ゆるくなっていく。前半のスピード感は姿を消し、トランス状態に入ったような感じの曲が増えてくる。
    ボーカルもコーラスも力が抜けており、そこに一定したリズムの手拍子が重なると、まさにこちらもトランス状態に入っていくような錯覚に陥る。不健康な状態で聴くと精神上良くないかもしれない。
  7. Listening Wind
    アフリカンなパーカッションのソロから曲は一転してアラビア風のサウンドに。
    中盤からのボーカルも宗教的な感じがする。これで歌詞が宗教的だったら本当にカルトな音楽になっていたかもしれない。
  8. Overload
    重低音のうねりから始まる最後の曲は静かで重たい。
    ヘリコプターの爆音を意識したようなサンプリングの音が何となく戦場をイメージさせる。