筆者の購入したDVDや本、鑑賞した映画、テレビ番組、コンサート等のインプレッションを書いています。
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●勝手にしやがれ / セックス・ピストルズ

Never Mind The Bollocks / Sex Pistols



  1. さらばベルリンの陽 / Holidays in the Sun
  2. ボディーズ / Bodies
  3. 分かってたまるか /No Feelings
  4. ライアー / Liar
  5. ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン /God Save The Queen
  6. 怒りの日 / Problems
  7. セヴンティーン / Seventeen
  8. アナーキー・イン・ザ・UK / Anarchy in The U.K.
  9. サブミッション / Sub.Mission
  10. プリティ・ヴェイカント / Pretty Vacant
  11. ニューヨーク / New York
  12. 拝啓EMI殿 / EMI(Unmimited Edition)


    • Jonny Rotten / Vocal
    • Steve Jones / Guitar
    • Sid Vicious / Bass
    • Paul Cook / Drums
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偉大なるパンクロックの金字塔

どちらかと言えばプログレ・ハードロック派のように思われがちな雀坊堂なのであるが、パンクロックも大好きなのである。
ギター小僧であったが、さほど上手く演奏できなかった私でも、パンクの曲はやりやすかった。
大学時代、周囲にパンク小僧が多かった事もあって、結構練習に付き合わされたものである。

パンクロックは、どうにもアタマ悪そうで演奏も下手に見えてしまって、そこが難点なのであるが、実際の、Sex Pistolsはかなりの手練れであった。
曲の構成や演奏が思った以上にしっかりしている。
ギターが下手なヤツが下手なりに演奏しているのではない。
そのあたりが、パンクの第2世代に出てくる、G.B.H.や、Killing Jokeなどのような「本当にアタマの悪そうな」ハードコア・パンクとは一線を画しているように思う。いや、ハードコア・パンクを貶しているのではない。G.B.H.好きだし。

英国を中心として広がったパンク・ムーヴメントは70年代中旬のごく一時期だけのものであって、Sex Pistolsはあっけなく解散、The JamThe ClushThe Stranglersどは音楽性をかなり変えてしまい、70年代後半には最早パンクバンドでは無くなってしまった。
真の意味でのパンク・ムーヴメントの発祥は、英国よりもむしろ米国であって、Richard Hell、、Pati SmithTelevisionRamonesと言ったニューヨーク・アンダーグラウンドにあった。
しかし、パンクという「ファッション」を確立したのはやはり、Sex PistolsMalcom McLarenであって、ツンツンにおっ立てたヘアーに安全ピン、びりびりに破いたシャツや革ジャンなどといった「パンク・ファッション」は、紛れも無くセックス・ピストルズが発祥である。
音楽としてのパンクの祖であると同時に、Sex Pistolsはパンク・ファッションの祖であるのだ。

良くも悪くも「パンク」の代表格となってしまったSex Pistolsであるが、彼らが唯一残した「オリジナル・アルバム」と言えるのが本作である。
同じロンドン・パンク・ムーヴメントの中でも、アルバムの発表はThe ClushThe Stranglersなどからはるかに遅れて、1977年の10月に発売されている。
これはSex Pistolsを売り込むマネージャーであったMalcom McLarenの思惑とヴァージンレコードの思惑がシングルヒットしか狙わなかったという点で一致していたためと言われている。
従って、このアルバムもそれまでのシングルの集大成となっており、シングル・ベスト・アルバム的なコンセプトで、捨て曲が無い。
そういったクオリティの高さが、現在でもパンクの祖として崇められる原因となっているかもしれない。

コレクター的視点からみると、Sex Pistolsものは、現在でも未発表テイクだのライブだのブートだのと、山のようにアルバムが発売されていてそれなりに面白いバンドなのであるが、真の意味でのオリジナルアルバムは、これ1枚である。
オリジナル盤という意味では、記録映画のサントラThe Great Rock'nRoll Swindleもあるけれど、これはCDで買うより映画そのもののDVDを買ったほうが良い。伝説のアメリカ公演の映像や、Sid Viciousが歌うMy Wayの映像など、見どころ満点である。

曲を1曲ずつ紹介していくのは、このアルバムに限っては野暮というものであるので特に詳しい紹介はしないでおこう。

ちなみに雀坊堂が好きなのは3曲目のと10曲目である。
特に3曲目の「分かってたまるか(原題:No Feelings)」は、後にBananarama(!)によってカバーされたのであるが、このBananaramaNo Feelingsはとんでもない怪作であった。金沢明子のイエローサブマリン音頭に匹敵する凄さである。
何かのオムニバスアルバムに収録されていたのだが、失念した。
御存知のかたは御一報頂けると有難い。