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●2005年11月20日 シルヴィ・ギエム「最後のボレロ」

2005年11月20日 上野 東京文化会館

東京文化会館に、シルヴィ・ギエムのボレロを見に行って来ました。
これは、自分自身の備忘録を兼ねたインプレッションです。

  • はじめに 女房のお付き合いでバレエを見ること十数回。いっぱしのバレエ通になってしまったのであるが、シルヴィ・ギエムはその中でも印象に残るバレリーナである。彼女がボレロを封印するというので楽しみに見に行った。

  • 寸評
    1. 「テーマとヴァリエーション」:東京バレエ団
      前座。どうしようもなく前座である。
      内容にメリハリが無いし、踊りも小さかった。生オケ演奏じゃないのが災いしているのかなあ?
      今まで見たバレエの中で3本の指に入るくらい詰まらなくて、途中寝てしまう。
      今回、このインプレッションを書くにあたって、Web上の色々なバレエ日記を読んだのだが、皆さん好評価なのはどういうワケだ?
      上野水香って名前にダマされてるだけじゃないのかなあ?
      もうちょっと別の演目で、生オケだったら良かったのになと思う。
      上演後の「ブラボー!」は今まで見た中で一番というくらい多かった。
      恐らく主演の上野水香ファンなのだろうけど、全然ブラボーでも何でも無い演技に大声でブラボーは無いだろう。
      悪い演技には悪い評価をすべきである。
      「べら棒!」とか言ってやろうかと思ったが恥ずかしいので辞めた。

    2. 「Push Too」:ギエム、ムッル
      新進気鋭?の振付師ラッセル・マリファントの作品をギエムとムッルが演じた。
      序盤、延々とリフトされながらムッルの上でクネクネと演技するギエムも流石であったが、それを微動だにせず支えたムッルのパワーに圧倒された感じである。
      でも、この人、先月ギエムを落っことしちゃったんだよねえ。
      意欲的な作品だったとは思うが、30分は長すぎた。15分くらいで良かったなあ。
      ギエム演じる作品の中では、初めて眠くなってしまった。
      中休みでビールを飲む。女房はシャンパン。シャンパンやワインが結構売れていた。
      シャンパンやワインが売れるというのは、客が満足している証拠だそうである。
      みんな満足してるんだなあ。確かに面白かったけど、満足という意味では以前見た「三つの愛の物語」のほうが上だった。今のところ。

    3. 「春の祭典」:東京バレエ団
      私の嫌いなベジャールの作品である。
      ベジャールの演出って、どうにも江頭2:50を連想させちゃうんだよなあ。
      最初は男性だけで踊り、暗転して女性だけになるのだが、衣装がほとんどベージュのレオタードなので、男だか女だか分からない。
      立ち上がって、髪の毛が長かったので女性と分かったのであるが、、、
      ニッポンのバレエ女子は絶望的に貧乳である。(そんなとこしか見てないのか!)
      ベジャール独特の、決して華麗とはいえない動きが何ともいけない。
      ガニマタで、腕を広げて細かく飛び跳ねたり、四つんばいになったり。
      バレエ見に来てるんだからさ、もうちょっと手足を綺麗に伸ばして飛び跳ねるような演技を見たいと思うのは、私が素人だからであろう。
      そういう意味でも、クラシックバレエの方が好きなのに、「テーマとヴァリエーション」は頂けなかったんだよなあ。
      物語性が無かったのが災いしているのだろうか。
      ラストで、主演の女子が足を開いて仰向けに倒れ、その上に主演の男子が覆いかぶさるのであるが、これはまるで舞台上でセックスしてるみたいにしか見えない。
      事実、鹿の交尾かなんかを想定しているらしいが、あまりに直接的な表現なのでちょっと引いてしまう。
      まー、春の祭典なんだから交尾のひとつやふたつあってもおかしくないんだろうけどさ、それにしてもね。
      この後の休憩で、横に座ったババアがパンを食いだした。
      ちょっと勘弁してよ!ここは映画館じゃないんだぞ!!
      女房の話だと、どうも今回の公演は普段とは客層が違うようである。
      女房の隣に座ったオヤジもバレエ初見だったようで、そういう人が多かったのかな?
      場内で平気でメシ食うような田舎者ばかりがこぞって集うような客席では、ギエムがボレロを封印したくなる気持ちも分かろうというものだ。

    4. 「ボレロ」:ギエム・東京バレエ団
      大トリは、お目当てギエムのボレロである。
      ボレロは以前、同じ東京バレエ団の首藤君のを見ているのだが、さすがにギエムの方が数段上手い。
      手の動きが滑らかで表現力があった。
      惜しむらくは、ちょっと音楽が大きすぎたかな。特に最後はスピーカーが割れてしまってガラガラした音になっていたのが残念。
      やっぱり生オケには敵わないよなあ。
      ボレロというのは元々女性向けに演出されたもので、酒場のテーブルの上で男たちを挑発する酒場女という想定の舞台だったそうだ。
      それを、男性にも踊れるように衣装をレオタードだけにしてしまったのだそうだが、この舞台は、そういうレオタードだけの衣装よりも、想定どおり酒場女とそれにまとわりつく男どもという衣装でやったほうが多分非常にわかりやすい作品になると思う。
      そういう演出のボレロを見てみたいと思うのは私だけだろうか。

      何だか酷評だらけになってしまったが、それだけバレエを見る目が肥えてきたという事だろうか。
      誤解の無いように付け加えておくが、ステージの出来は悪くないどころか、ボレロは最高に良かったと思う。
      多分、ベジャールが嫌いだからイマイチのめり込めないだけなんだよな。