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●サウンドトラックス / カン

SOUNDTRUCKS / CAN



  1. Deadlock
  2. Tango Whisk yaman
  3. Deadock(insulmental)
  4. Don't Turn The Light On,Lave Me Alone
  5. Soul Desert
  6. Mother Sky
  7. She Brings The Rain


  • Holger Czukay / bass
  • Michael Karoli / guitar
  • Jaki Liebezeit / drums
  • Irmin Schmidt / keybords
  • Damo Suzuki / vocals (1,2,4,6)
  • Malcolm Mooney / vocals(5,7)
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本当に映画音楽だった!

CAN2枚目のアルバムとなる本作品は、サウンドトラックスというタイトルが付いている。10ccというバンドに「オリジナル・サウンドトラック」という作品があって(名曲I'm not in Loveを収録)、このアルバムは映画音楽でも何でも無かったのであるが、何とこちらのアルバムはホンマもののサウンドトラックなのであった。

  1. Deadlock

    この曲は同名の映画のサントラであるが、こんなにアクの強い音をバックにしたら映像が霞んでしまうんじゃないかなあ、などと余計な事を心配してしまう。
    Michael Karoliの独特のギターに乗って、初めて披露される日本人ボーカリスト、ダモ鈴木の声。
    ヘタ!!!!!
    なんじゃこりゃ、素人より酷いぞ。日本人の面汚し。何なんだこいつ。
    という感じで、最初聴いたときには、まるっきり評価出来なかった。
    その後もこの曲を聴くたびにヘタだなあと思うのだが、ほかの曲で慣れてしまったのかなあ。

    欧米ロックの世界の中で、日本人なんて全く活躍出来ていなかった時代である。
    唯一、山内テツが、FreeFacesで活躍していたくらいのものである。
    そんな中で、世界に名だたるロックバンドにボーカリストとして参加していた日本人という事で、初めて聴くまでは凄い人物なのではないかと期待していたのだ。
    それを見事に裏切ってくれたダモ鈴木という男、一体全体何者なんだろう。そんな不思議な思いを強く感じたものであった。

  2. Tango Whisk yaman

    CAN独特の呪術的なドラムの上に何やらチープで軽快な曲が乗っている実に不思議な曲。
    ダモ鈴木の英語はまるっきりジャパニーズイングリッシュで、こんなのネイティブの人が聴いたらどう思うんだろうか。
    途中のサビの部分なんか、何だか出来損ないの日本の歌謡曲を聴いているようで、実にカッコ悪いのだが、そこに妙な味を感じてしまうのは既に私がCANに毒されているからだろう。

  3. Deadlock(instulmental)
    1曲目の主題の繰り返し。短い曲である。こんなのが入ってると、ああ、やっぱりサントラなんだなあと思ってしまう。

  4. Don't Turn The Light On,Lave Me Alone
    軽快なサウンドの上にダルいダモ鈴木の声(歌というより声)が乗ってくる。この感じが初期CANの何ともいえない味になっている。
    前作と比べて、音は明るく作られていて、ボーカルなしで聴くと結構よかったりするのだが、そこにダモ鈴木の声が乗ってきて台無しになってしまう。いや、台無しってのは良い意味でね。

  5. Soul Desert
    このアルバムの白眉とでも言えるこの曲は、初代ボーカリストのMalcolm Mooney最後の録音である。
    この後、精神に異常を来たしてバンドを脱退してしまうのであるが、この録音時、既にかなりおかしかったのではないだろうか。
    バックは単調に同じリズムを反復するだけ、その上に狂気と正気の狭間を行き交うMalcolm Mooneyの声がうねる。
    ちょっと弱っている時に、絶対この曲を聴いてはいけない。暗闇の世界に引き込まれるようなボーカルである。
    Soul Desertというタイトルは偶然なのだろうが、あまりにも直接的すぎる。エンディングも何も無く、突然音が切れて終わってしまうのも象徴的だ。

  6. Mother Sky
    CANらしさの良く出ている曲。後半のギターの「うねり」具合が個人的には好み。
    前作の紹介で、CANはドラムとベース主体のバンドと書いたが、実はギターもなかなか重要な音楽的ポイントを占めている。
    だが、それを生かしているのは、やはりドラムの音なのだろう。そういう部分が良く分かる曲構成になっている。

  7. She Brings The Rain
    異質なジャズの小品である。
    聴き飛ばしてしまうような詰まらない曲だが、このボーカルが、Soul Desertで狂気直前の声を絞り出していたMalcolm Mooneyだと思うと慄然とする。
    何が彼をそこまで追い詰めてしまったのだろうか。

ファンの間では、それほど評価が高くないと言われているこのアルバムであるが、個人的には非常にキャッチーなナンバーが多く、言われるほど悪いとは思わない。ただひとつ、ダモ鈴木の歌を除いては・・・