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●暗黒の世界 / キング・クリムゾン

Starless And Bible Black / King Crimson




  1. The Great Deceiver / 偉大なる詐欺師
  2. Lament / 人々の嘆き
  3. We'll Let You Know / 隠し事
  4. The Night Watch / 夜を支配する人
  5. Trio / トリオ
  6. The Mincer / 詭弁家
  7. Starless And Bible Black / 暗黒の世界
  8. Fracture / 突破口


    • David Cross / Violin,Viola,Keyboards
    • Robert Fripp / Guitar, Mellotron,Devices
    • John Wetton / Bass,Voice
    • William Bruford / Percussives
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これがライブアルバムなのか!

第3期クリムゾンの中では地味なアルバムである。
曲のバランスも悪いし、演奏にムラがあるのだ。
何でこんな中途半端なアルバムなのだろうかと訝しがっていたのだが、収録曲の殆んどがライブ演奏だというのを知って得心がいった。
なるほど、ライブであれば、演奏のバラツキや曲の完成度にムラがあってもやむを得まい。
しかし、初めて聴いたときにはまさかライブとは思わなかった。意図的に観客席の音を消しているのだろうか。
全て新曲であり、そのうち何曲かはスタジオ録音のものもあって、その出来が良いだけに何故全てスタジオ録音しなかったのか疑問が残る。

  1. The Great Deceiver / 偉大なる詐欺師

    スタジオ録音による作品。イントロといい、サビの部分といい、中々キャッチーなナンバーに仕上がっている。
    イントロの主旋律はギターかバイオリンだろうと思うが、これが妙にサックス風に聴こえるところが面白い。

  2. Lament / 人々の嘆き

    これもスタジオ録音。
    憂いのあるJohn Wettonのボーカルで、ややリリカルに始まるが、次第にRobert Frippのギターを中心としたヘビーなサウンドに転調していく。
    William Brufordのパーカッションが非常に効果的。
    最後はクリムゾンお得意の重たいリフレインが響き、唐突に曲が終わる。

  3. We'll Let You Know / 隠し事

    1973年10月23日のグラスゴーでのライブ。インプロビゼーションからJohn Wettonのベースラインが次第にグルーヴしていく。
    ジャジーな雰囲気も漂わせながら、これからという時にうやむやに曲が終わってしまう。これでは消化不良だ。

  4. The Night Watch / 夜を支配する人

    前半が1973年11月23日のアムステルダムでのライブで後半がスタジオ録音。
    97年に発売された、73年11月23日のアムステルダム公演を公式CD化した「The Night Watch Live at the Amsterdam Concertgebouw November 23rd 1973」を聴く事によって、この曲が何故前半だけしかライブを使わなかったかの理由が明確に分かる。(後半部でDevid Clossのメロトロンが故障してしまい、急遽ピアノに切り替えて演奏しているため。)
    でも、それなら全部スタジオ録音しても良かったんじゃないかとか思ってしまうのだが。
    特に後半のスタジオ録音の演奏の出来が非常に良いだけに、前半にライブ音源を使った理由が不明確だ。

  5. Trio / トリオ

    1973年11月23日のアムステルダムでのライブ。4人編成なのにトリオというタイトルなのは、この曲にはドラムのWilliam Brufordが参加していないためである。
    Robert Fripp曰く、「演奏しないことで曲に対して貢献した」という事らしいが、果たしてそれは正解だったのだろうか。
    確かにギター、ベース、バイオリンだけによる演奏は、目新しさもある。ドラムが無い分だけ、バイオリンの音が目立っている。

  6. The Mincer / 詭弁家

    1973年11月15日のチューリッヒでのライブ。
    内容も演奏のレベルももうひとつ。後半のボーカル部が少し面白い感じがするけれど、単なる時間あわせの捨て曲にしか思えない。

  7. Starless And Bible Black / 暗黒の世界

    1973年11月23日のアムステルダムでのライブ。インプロビゼーション風に始まりながら、次第に楽曲として纏まっていく。
    恐らくコンサートでのインプロは、このような構成になっていたものが多いのだろう。
    延々とインプロだけ演られるのは、音だけ聴いていると結構苦痛でもある。タイトルナンバーなのに妙に地味な曲である。
    やはりアルバムに収録する曲はきちっと作曲されたものが望ましい。
    インプロビゼーション主体なので、曲のイメージが薄い。結果的にレッドに収録された「Starless」という曲に「Staeless and Bible Black」という歌詞があり、どうしてもそっちの方をイメージしてしまう。

  8. Fracture / 突破口

    これも11月23日のライブ演奏からの曲。世が世なら、「太陽と戦慄パート○○」なんていうタイトルだったかもしれない。
    それほど後半のリピートする主題は似ているが、これが第3期クリムゾンのスタイルだという事なのだろうか。
    2種類の主題が繰り返し演奏されているが、この演奏自体は非常に良く纏まっていて、これがライブとは思えない出来である。


なお、このアルバムで紙ジャケット化は3度目になるが、本作のみ水垢が付いたようなエンボス仕様となっている。(以前のものはコールテンの生地のようなデコボコのエンボス仕様だった)