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●サード・アルバム / アトール

Tertio / Atoll




  1. パリは燃えているか?
  2. 神々
  3. 決闘
  4. 天翔ける鹿
  5. トンネル(パート1)
  6. トンネル(パート2)




  • Andre Balzer / Vocal,Percussion
  • Jean-Luc Thillot / Bass,Vocal
  • Michel Taillet / Vocal,Percussion,Clavinet
  • Alain Gozzo / Drums
  • Christian Beya / Guitar

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イエスというよりキャメルかな?

1977年発表のATOLLのサードアルバム。
良くも悪くも「フランスのイエス」などと呼ばれていた彼らであるが、前作「夢魔」でジャズロック的な展開に進化したはずのサウンドが再びYES的な構成美を重んじるスタイルに変化している。
しかも、アルバムタイトルが「サード」では、そのまんまYESと同じと言われても仕方ないか。

1977年という時代背景で考えると、音楽界にはパンクの嵐が吹き荒れ、プログレなんていうのは暗い奴の聴く音楽で時代遅れというような印象があった。
本家YESはリレイヤーでの失敗のあと、Rick Wakemanが復帰し「究極」をリリース。
PINK FLOYDは「アニマルズ」、ELPは「四部作」と、いずれも微妙な作品を発表している。
どの作品もプログレ冬の時代の到来を象徴しており、この時期をひとつのピークとして以後、妙にキャッチーで一般ウケしそうなポップなナンバーを中心とした作品が多くなっていき、結局は破綻して解散という道を同じように辿っていく。

ATOLLにおいても、その傾向は避けられなかったのであろうか。
マネジメントの失敗から、レコードが売れても生活に困るような状況だったらしく、それゆえ前作「夢魔」から3年も経っての新作となってしまった。
前半にキャッチーなナンバーを集約し、後半に大作をドカンと演奏してやりたい放題というアルバム構成は、奇しくも「究極」のスタイルにソックリである。そんなあたりもYESを彷彿とさせてしまうところかも知れない。
レコードを売るためには、A面トップに売れ筋の曲を持ってくるのは必然であって、それを批判するつもりは全く無いのだが、どうしてみんなこういう作りになっちゃうんだろうね。

YES的な構成美を重んじるスタイルと言ったが、ライブ演奏を意識しての曲作りなのか、多重録音などは極力廃しているように思える。そのあたりの軽さが、YES的というよりもむしろ、CAMELFOCUSのような印象を受けるのは私だけだろうか。
日本の四人囃子にも通じるものがあるのだが、この手のバンドは余程強烈な個性が無いと、○○に似ているなどと言われてしまうところが、プログレッシブロックの難しい部分かもしれない。

Andre Balzerのボーカルはシャウト系に変わっており、それがフランス語の語感とミスマッチを起こしているのが残念。