筆者の購入したDVDや本、鑑賞した映画、テレビ番組、コンサート等のインプレッションを書いています。
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●2007年3月10日 エイジア CCレモンホール

実に24年ぶりに実現した、オリジナルメンバーによるエイジアのコンサートに行ってきました。
これは、自分自身の備忘録を兼ねたインプレッションです。

開演まで
エイジア来日の報を聞いてチケットを入手したものの、ネットから伝わってくる情報に一喜一憂の毎日だった。特に肥大化したジョン・ウエットンの姿には愕然。こんなんでコンサートできるのだろうかと不安が高まる。
しかし、名古屋、大阪と、なかなか期待できる内容であるという話を聞くにつれ、こちらの気分もだんだんと高まっていった。

東京公演は追加も含めて5回。前半は厚生年金会館であるが、最後の2日はCCレモンホールである。CCレモン?どこだよ?と思ったら何のことはない、渋谷公会堂であった。
「渋公」に行くのは女房がドタキャンした杉山某のコンサート以来7年か8年ぶりということになる。ホール入口上部にでっかいCCレモンの看板が掛かっているのがどうにもそぐわない。
30分前開場ということで、グッズ売り場には長蛇の列が出来ていた。元々買う気は無いのだが、こうも並んでいると冷やかしに覗いてみる気も起こらない。
グッズ売る気があるのならせめて1時間前くらいに開場すべきではないかなあ。

パンフレットだけ買って席に着く。今回はいわゆるチラシの類は、入口の外で配っていた2枚だけなので、ゴミが出なくて済んだ反面、少々手持ち無沙汰ではある。
フォリナー来日!なんていうチラシを貰ったんだけど、イアン・マクドナルドもルー・グラムも居ないフォリナー見て何が楽しいんだか。
席に着き、おもむろにパンフを開いて愕然。なんだこの豚は。高砂部屋の稽古風景ですか!!ますます太ってるんじゃないのジョン・ウエッ豚!!

大いに不安になる中、場内を見渡すと、客席中央にミキサーやPC機材が並んでいる。ビデオカメラも2台設置されていて、どうやらこれで撮影した画像をステージ後方の大型モニターに投影するらしい。
一方のステージ上は、向かって左からスティーブ・ハウ用のアンプ、床にはカーペットが敷いてある。感電防止?か転倒防止用だろうか。
中央にカール・パーマーのドラムセット。ツインバスドラムでCPの文字が書いてある。タムタムは2個と少な目で位置も低い。演奏時に上半身が全て見えたのだが、こういうドラムセットというのも珍しいな。
右側にはジョン・ウェットン用のアンプに続いてジェフ・ダウンズのキーボードセット。意外と少ない印象である。

開始時間になり、場内が暗転する。いよいよコンサートの開幕だ。

    イントロに流れるのは「威風堂々」 曲の終わりごろになって、ようやくメンバーが右手から登場。日本では初めてとなる、オリジナルメンバーによるエイジアのコンサートが始まった。

  • Time Again
    デデデデ、デデデデ・・・と重厚なイントロに乗せて1曲目は「タイム・アゲイン」
    ジョン・ウェットンは写真で見た時ほど太っていない。(それでも十分に太いが)
    声がよく出ていたのにはびっくりした。これなら期待できる!!
    観客は既に総立ち状態である。あっという間に1曲目が終わってしまった。

  • Wildest Dream
    「ドーモアリガトウ」「コンバンワ!」と日本語でMCするジョン。続いてのナンバーもファーストアルバムから「この夢の果てまで」
    バックのモニターにはメンバーの25年前の映像が。それってどうなのよ?現実との落差があまりにも目立っちゃうんじゃないかなあ。
    それにしても驚いたのはジョンの声。現役時代(今でも現役だけど)より声出てるんじゃないだろうか。やっぱり太ると声量がアップするのかな。彼のような声質だと、太っているほうが声にハリが出るのかもしれない。

  • One Step Closer
    3曲目もファーストアルバムから。このときのMCで、「今月でエイジア結成25周年を迎えます」というと客席から「コングラチュレーション!!」の掛け声が。
    ジョンばかりに目が行っていたのだが、ようやくほかのメンバーを見渡す余裕も出てきた。ハウは数年前にイエスで来日しているので、その死神博士ぶりには慣れていたのだが、今回はイエスの時以上に飛び跳ねるわ片足上げるわで大ノリ。見ているこっちのほうが心配になってしまった。
    テンポの悪さは相変わらずだが、ご愛嬌というものであろう。

  • Round About
    カール・パーマーがマイクを持って出てくる。"Fantasitic Audience"(今日のお客さんはサイコー!)なんていうMCだった。そして、ハウの前にスタンドに固定されたエレアコがセットされる。「スティーブ・ハウの曲をやります。ラウンドアバウト!」場内大歓声。
    数年前のイエス来日時にはアレンジが変わっていて、イントロのエレアコのフレーズがカットされてしまっていたのだが、今回はバッチリ。ちょっと感激した。
    心配されたのはウェットンの声だったが、なかなかどうしてジョン・アンダーソンには届かないものの、結構歌いこなせている。
    ウエッ豚なんて馬鹿にしてたけど、前言撤回。素晴らしい「ランダバ」であった。

  • Without You
    これもファーストアルバムから。何とMCはスティーブ・ハウ。何か言ってるんだけど全く分からなかった。
    ランダバの時に使ったエレアコを再び効果的に使う。なるほど、そのための選曲か。
    気になったのは出だしの声がちょっと小さいか、歌いだしをトチっている感じがしたウェットンのボーカル。でも、コーラスは全ての曲の中で一番決まっていたかもしれない。ちょっとウェットンのボーカルに被さるリバーブが強すぎる気がした。

  • Cutting it Fine
    「次の曲はダウンズのキーボードソロを聴いてください」というウェットンのMCで手を合わせて挨拶するダウンズ。ここまで正直全然目だっていなかった。
    曲の後半からダウンズのソロになるのだが、ここで被さる鼓笛隊風のドラムの音までサンプリングになっていたのには驚いた。
    いつのまにか他のメンバーは引っ込んで、ダウンズだけのステージになる。
    音は半分以上サンプリングで、ダウンズが弾いていたのはピアノの音だけだったような気がする。
    ただし、ファーストアルバムの白眉ともいえるこのキーボードソロが、完全にアルバムの音どおりにステージで聴けたので大満足であった。

  • Sketches in the sun
    ソロが終わり、大歓声に答えるダウンズ。そして、ステージ中央に椅子がセットされる。ダウンズのMC「次はスティーブ・ハウ!」
    ハウ爺が左手からアコギを抱えて登場。おもむろに弾き出したその曲は何と!Sketches in the sun。いやあ、これはサプライズだった。
    大阪公演ではClapだったとの事で、ハウのソロだけ毎日レパートリーを変えているのかもしれない。
    演奏は相変わらずの神業。物凄いテクニック。この人は本当に素晴らしい。

  • Fanfare for the Common Man
    「次はエマーソン・レイク&パーマーの曲」というMCで盛り上がる場内。EL&Pファンが多かったのだろうか。
    ダウンズのキーボードによるファンファーレが始まって、ちょっとウルウル来てしまった。この曲がこのメンバーで聴けるなんて感無量である。
    EL&Pにはギターが無いので、ハウ爺はどうするのかな?と思っていたら、中盤からダウンズとの掛け合いが延々と続いた。
    むしろ地味にベースラインを取り続けていたウェットンの影が薄かった感じだった。
    曲が終わって、立ち上がってお辞儀するパーマーに大拍手。

  • The Smile Has Left Your Eyes
    アコースティックギターを抱えてウェットン登場。「キミタチサイコダヨ!」場内大拍手!
    印象的なイントロで始まる「偽りの微笑み」。初めてセカンドアルバムから。
    ハウはアコギを寝かせてスライドギターを弾く。正直、セカンドは「ドント・クライ」以外捨て曲と思っていたが、なかなかいいじゃない。
    この曲のステージ構成はアルバムのものよりも良かった感じ。かなり見直した。
    ところが、ウェットンのボーカルに被さるリバーブ(サンプリング?)が遅すぎて、ほとんど輪唱のような感じで聞こえてしまった。
    これをハウ爺が気にしてローディに何度も指示を出していたのが気になった。最後には余程耐えかねたのか、両手で耳を塞いじゃったよハウ爺さん。

  • Don't Cry
    「一番ヒットした曲をアコースティックバージョンでやります」というウェットンのMCで始まったのは何と、「ドント・クライ」
    ハウ爺はギターではなくて小さなマンドリンを抱えてイントロのフレーズを弾く。ドラムの音は全くなく、途中からタンバリンを持ってステージ上を歩き回るパーマー。
    この曲はオリジナルアレンジで聴きたい気持ちもあったけれど、このアコースティックバージョンも中々良かった。

  • In The Court Of The Crimson King
    パーマーのMC。「今日のお客さんは最高!」この人のMCは凄くうまい。ちょっとした驚きであった。
    「今度の曲は今から30年以上も前の曲だけど、僕の大好きな曲です。クリムゾンキングの宮殿!」
    場内大歓声。まさかキング・クリムゾンのナンバーからこの曲とは!
    ウェットン在籍時ではないときの曲。なぜこの曲を?と思って、はたと気が付いた。
    今から24年前のエイジア初来日公演は、直前にジョン・ウェットンの脱退(解雇?)という事件が勃発した。普通ならばキャンセルになるところだったが、MTVによる全米同時生中継というイベントがあったために、急遽代役として、グレッグ・レイクを起用したのだった。
    たった3週間でステージに立ったグレッグ・レイク。そのステージを受けるかどうか、ジョンに連絡も取ったという。
    そのレイクに対する恩返しの選曲だったんじゃないだろうか。そう思ったら泣けてきた。
    曲の出来も凄く良かった。メロトロンを使わない「宮殿」というのも新鮮な音であった。

  • Here Comes the Feeling
    ハウのギターの音がやたら大きくなってしまった。ウェットンのベースもダウンズのキーボードも殆ど聞こえないくらいになってしまう。今回はPAが酷すぎた。メンバーの演奏が非常に良かっただけに、PAの不手際は本当に惜しい。
    音が大きすぎると、細かいミスも結構目だってしまい、ハウには辛い演奏になってしまったかな?

  • Video Killed The Radio Star
    またしてもMCはパーマー。「次の曲はMTVで初めてオンエアされた曲。作ったのはジェフリー・ダウンズ!」
    コールされて登場したダウンズはサングラスに銀ラメスーツと、バグルズな衣装。
    場内大歓声。さて、この曲をどう演奏するんだろう?
    イントロの歌詞を拡声器片手に歌うウェットンに大拍手。「アゥーア、アア」のフレーズは何と!客が歌うんかい!!
    しかし、観客総ノリ。ウェットンの歌いっぷりもなかなか良かった。

  • Heat Goes On
    「次はカールのドラムソロが入ります」というMCに大歓声。スティックを上げて答えるパーマー。
    曲はセカンドアルバムから。いつのまにかハウのギターの音の大きさは直っていた。
    しかし、ダウンズのキーボードはもうちょっと音を上げても良かったかな?
    左手を不自然に上げて弾くダウンズのキーボード奏法が面白かった。
    ドラムソロに入る直前に音を合わせるタイミングで、今回初のハウとウェットンのアイ・コンタクトが!
    そして圧巻のドラムソロに突入。いや、正直言ってカール・パーマーのドラムソロには全然期待していなかった。
    ところがどっこい、過去見たドラムソロの中でも一、二を争う出来。途中のシンバル技、バスドラだけのドラミングも素晴らしかった。ドラムソロっていうと、どうしても途中で中だるみしてしまうものであるが、見せ技や小細工をフルに使って全く飽きさせないドラミングを展開したカール・パーマーに大拍手だった。エンターテイメントとしても良質なものを見せて貰った。

  • Only Time Will Tell
    ここでもイントロで声が出ていなかったかなあ。どうもウェットンは出だしに問題があるみたい。
    それでも演奏はダレる事なく、非常に良い出来であった。バックに流れる昔のPVの映像が妙に懐かしく思い出された。
    このPVに被るように、ビデオカメラで撮影されているライブ映像が映し出されるのであるが、この映像にエフェクトが掛かっていて、ハウ爺の後ろに後光が射したりすると、思わず拝みたくなってしまった。
    ライティングは今ひとつだったけれども、このモニター映像はなかなか効果的だったと思う。

  • Sole Survivor
    そしてラストナンバーは「孤独のサヴァイヴァー」
    観客は立ちっぱなしで最後まで通した。今回の観客はおおむね40代。それも全く普段着の40代のおっさんがごろごろしていた。
    着飾れとは言わないが、もう少し何とかならなかったんか。せっかくエイジアのコンサート見に行くんだよ。
    我々の前の席に居た男性2人連れも超メタボサイズ。一応立っていたけど、すぐに寄りかかったりしていた。辛いなら座ればいいのにね。
    しかし、イエスの時でもこんなにおっさん度高くなかったのに。女性も若い子は皆無だった。まあ、そういうバンドなんだから仕方ないけどさ。
    そんなわけで、オヤジの熱気に包まれたエイジアの25周年コンサートは終了した。
    最後に4人が肩を組んで挨拶。手を振りながらステージを下りる。

    --アンコール--

  • Ride Easy
    「この曲はアルバムには収録されていなくて、「Heat of the Moment」のB面だった曲です」
    というMCで始まったアンコール1曲目。
    確かにこれは聴いたことが無かったけれど、なかなかに聴かせるスローナンバーだった。

  • Heat of the Moment
    そして最後の最後に「ヒート・オブ・ザ・モーメント」
    ダウンズ大活躍。むちゃくちゃ忙しそうでした。ところでダウンズの忙しい動きを見ていて、そういえばダウンズのショルダーキーボード奏法を見てないなあ、と思っていたら、最後の最後でやってくれました。
    白いローランドAX-1を肩にかけ、まずは、ウェットンと背中合わせで。次にパーマーの前に行き、そしてハウとも背中合わせのツーショット!
    やっぱりこのバンドにおいて、ダウンズがメンバーの緩衝材の役割を果たしているんだろうか。
    最後に観客と"Heat of the Moment"の掛け合いがあり、2時間に渡るエイジアのコンサートが終了した。

    最後に再び4人が肩を組んで挨拶。並び順を入れ替えて、ハウ、ウェットン、パーマー、ダウンズの順だった。
    ハウとウェットンが肩を組み、挨拶してくれたのが嬉しかった。

    2時間立ちっ放しで聴いているほうも結構疲れてしまったのだが、全体を通してみんな楽しそうに演奏しているのが凄く伝わってきて、それが良かったと思う。
    渋公(CCレモンホール)という小屋の大きさも、観客と演奏する側が一体化するには適当な大きさだった。これが武道館あたりだと、こういう一体感は生まれない。
    私以上に女房も満足したようで、殆ど曲も知らないのに満足できたというのは、それだけこのバンドのエンターテナー度が高かったという事だろう。
    コンサートの成功を祝い、エイジアにちなんで?アジア料理(ベトナム)を食べて帰路についた。