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●フランケンシュタインの復活(1939)

cover ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
本作品は、「フランケンシュタイン・レガシーBOX」の中に収録されています。

監督:ローランド・リー
出演:ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシ他

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【フランケンシュタインシリーズ第3作】

「フランケンシュタイン」=モンスターというイメージが定着してしまったことに悩むフランケンシュタイン博士の息子ヴォルフ・フォン・フランケンシュタインは、亡き父の城に戻り、せむしのイゴールの手助けでモンスターを復活させる、、、と書くと、まるで「ヤングフランケンシュタイン(1976)」の粗筋を書いているような気分になる。
そうなのだ、「ヤングフランケンシュタイン」の基本ストーリーは、実はこの第3作なのである。
私は長い間、この第3作以降は未見のままだったので、メル・ブルックスの作った喜劇「ヤング・フランケンシュタイン」は、当然ながら第1作と第2作を下敷きにしていたと思っていた。
ところがどっこい、メインストーリーは、この第3作を下地にしているし、イゴールや片手の警部クローグなど、「ヤング・フランケンシュタイン」の代表的脇役がこの第3作から取られているなどとは、思っても見なかった。
1作目、2作目と異なり、この第3作を見たことのある人は少ないと思うが、ヤング・フランケンシュタイン好きならば、是非この第3作目もご覧頂きたい。


息子ヴォルフはフランケンシュタイン城に入った瞬間、その中世の城に魅せられてしまう。
だが、予算の関係か、中世の城であるべきイメージが近代的なデザインの洋館にしか見えないのはちょっとした皮肉である。しかし、現代の目で見てみると、この洋館のイメージは科学者の家に相応しく、モノクロ画面と相まって、それなりの雰囲気を醸し出しているのが面白い。(カラーだったら幻滅しただろう)

第2作で饒舌に言葉を綴ったモンスターは実験室で自爆したはずなのだが、実は生きていて夜な夜なイゴールの手先となって殺人を繰り返す。
だが、雷に当たって動けなくなってしまい、イゴールはヴォルフにモンスターを診させる事で復活させようとする。
雷で弱ったものを再び雷に当てて復活させるというストーリーは訳が分からない。映画を見ながら思わずつっこんでしまった。
モンスターは再びウガーウガーと叫ぶだけの怪物となっているのだが、第一作とは違ってイゴールに手懐けられた猛獣のようであり、ちっとも怖くない。
イゴール役のベラ・ルゴシも、フランケンシュタイン博士の息子ヴォルフ役のベイジル・ラズボーンも背が高いので、モンスターの背が低く見えてしまうのは、さらに頂けない。
イゴールの命令に「うんうん」と2回頷き、与えられた仕事を忠実にこなすモンスターはもはやモンスターとは言いがたい。
これでは単なる操り人形ではないか。

そういう意味では「フランケンシュタイン映画」でありながら、当のモンスターの位置づけが単なる「凶暴な家畜」になってしまっており、そこがゴシックホラーとしての面白みをスポイルさせてしまっているようだ。
だから、この映画はモンスター映画としてみるよりも、ヴォルフとイゴールの関係を中心にした憎しみと復讐の物語として見たほうが面白い。

イゴール役のベラ・ルゴシといえば、「魔人ドラキュラ」役があまりにもお馴染みであるが、全くドラキュラを彷彿とさせない見事な変身ぶりである。
ドラキュラ以外には役に恵まれなかったと言われているが、このイゴール役はなかなか良い。
一方のモンスター役のボリス・カーロフは、年齢のこともあり、本作品を限りとしてモンスター役を降りてしまった。
カーロフのモンスターも、第1作の「おどろおどろしさ」が消え、人形のようなイメージが強くなっているのが残念である。

とまあ、結構不満な部分もあることはあるのだが、歴代フランケンシュタイン映画最長の99分という長丁場を、さほど飽きさせる事なく見せているのは流石と言って良いだろう。
特にヴォルフの息子とモンスターの絡みは、第1作のモンスターと少女の絡みを連想させて面白い。
一連のフランケンシュタインシリーズの中では明確なハッピーエンドとなっている所も評価すべき点だろう。
この手の話は暗く終わらせるのも一つの手ではあるが、モンスターが死んでめでたしめでたし、という能天気な終わり方があってもいい。
特に前作はモンスターの立場から見た場合には絶望的な悲劇として終わっているだけに、本作のフランケンシュタイン博士側から見た場合のハッピーエンドという作り方は、モンスターが物言わぬ「でくの坊」と化してしまった以上、正しい選択だ。