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●ディア・コンパニオン /メグ・ベアード

Dear Companion /Meg Baird

  1. Dear Companion
  2. River Song
  3. Cruelty of Barbary Allen
  4. Do What You Gotta Do
  5. Riverhouse in Tinicum
  6. Waltze of the Tennis Players
  7. Maiden in the Moor Lay
  8. Sweet William and Fair Ellen
  9. All I Ever Wanted
  10. Willie O' Winsbury


  • Meg Baird / guitar,vocal

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可憐という表現はこの歌声のためにある。

友人のレオンさんに教えて頂いたアルバムである。非常に心地よいシンプルなサウンドで、現在ヘビーローテーション中。

アシッド・フォークのESPERSのボーカリスト、MEG BAIRDのソロアルバムである。
ESPERSの音はリコーダーや民族楽器など沢山の楽器を使用し、幻想的なイメージを強くしているが、本作ではギター1本の弾き語りに徹していて、これが潔く心地よい。
いったいいつの時代の音だよ!と言いたくなるくらい70年代のフォーク系の音なのだが、これが時代を超えた現代でも充分に通用する音なのだ。

私の場合、英語の歌を聴いてもヒアリングでは何を歌っているのかあまり良く分からないのであるが、そこがまたいい。日本語だと、どうしても文字が浮かんできてしまい、詞の世界の中に入り込んでしまうことがあるのだが、英語の歌にはそれがない。
もちろん、詞の内容を噛みしめて聴くのも音楽の楽しみのひとつではあるが、単純に音として接するという意味ではインストゥルメンタルや外国語のボーカルのほうが良い。

音として聴いた時の歌声は、その声質や発音、滑舌などが声ではなく楽器のように捕らえられる。その意味で聴くと、MEG BAIRDの声は実に良い。
決して上手いとは言えないが、無駄に甘くも無く、かといって尖ってもいない。非常に可愛らしい歌声である。
可愛らしいといってもアニメ声とかのようなものではない。可愛らしいというよりは可憐な歌声と言うべきか。こういう声を持った日本の歌手はちょっと思い浮かばない。

内容は、いわゆるカントリー/トラッド系のフォークソングで、個人的には馴染みの薄いサウンドである。こういう音を米国人はどんな感じで聴くんだろうね。
日本で言えば民謡なんだろうけど、時代的な感覚でいうなら演歌に相当するのかな?
そういう意味でいうとMeg Bairdってのは、デビュー当時の坂本冬美みたいな位置づけか。ならばこのアルバムって「あばれ太鼓」ですか?(全然違う)

冗談はさておき、1曲ずつ紹介していこう。

  1. Dear Companion

    非常にシンプルなトラッド・フォーク。ギターじゃなくてバンジョーで弾いたら完璧にカントリーソングである。バンジョーをバックに手拍子入れながら弾いたらそれなりに陽気な歌なのであるが、これをふんわりと歌ってしまうのである。のっけから気持ちをリラックスさせるような歌声だ。

  2. River Song

    Chris Tompsonのカバー。Chris TompsonなんていうとManfred Mann's Earth Bandのボーカリストを思い出しちゃうのだが、その人とは別人で、どうやらニュージーランドのミュージシャンらしい。ダルシマーの音が新鮮。後半被ってくるコーラスが良い。

  3. Cruelty of Barbary Allen

    これもトラッドナンバー。輪唱のような感じで延々と続くフレーズが、何故か郷愁を誘う。

  4. Do What You Gotta Do

    Jimmy Webbのカバー。この曲は確かLinda Ronstadtもカバーしていたと思う。Meg BairdJimmy Webbに影響を受けているのは当然の帰結と言えるかもしれないが、それにしても選曲が渋い。イントロのギターが凄くいい。

  5. Riverhouse in Tinicum

    このアルバムでは初めての彼女のオリジナル曲。他の曲との違和感の無さが素晴らしい。
    この曲も少し長めのイントロが素晴らしく良い。このギターのフレーズは何かの曲に凄く良く似ているのだが、どうしても思い出せず。

  6. Waltze of the Tennis Players

    Fraser & Deboltというカナダのピッピー系ミュージシャンデュオが1971年にリリースした「Fraser&Debolt With Ian Guenther」というアルバムからのカバーナンバー。 凄く可愛い曲。わたし的にはアルバムの中で一番好き。

  7. Maiden in the Moor Lay

    これもMegの曲。まさに70年代風。歌い出しはベッツィ&クリスを思い出した。後半は多少印象が変わり、ちょっと今風のアレンジになる。

  8. Sweet William and Fair Ellen

    トラッドナンバー。この曲もダルシマーを使っているので、アルバム的には少し飽きてきそうなりそうな所で毛色の違う音が出てくるのは悪い事ではない。だが、この曲に限って言えばダルシマーの音はさほど彼女の歌声にマッチしておらず、そこがちょっと勿体無かった。

  9. All I Ever Wanted

    何とNew Riders of The Purple Sageのカバー。これにはちょっとビックリ。なあんて書いたけど、NRPSの曲だなんてライナー見るまで気が付かなかった。
    儚い雰囲気のギターの音が素晴らしい。

  10. Willie O' Winsbury

    最後もトラッドナンバー。Megの魅力はファルセットに変わる部分の危うさにもある。決して良い声とは言えないが、なんとも魅力的なのだ。この感じは聴いてもらわないと実感できないだろうな。
    この曲の後に、アカペラで"Dear Companion"がリフレインしてアルバムは終わる。このアカペラが凄くいい。

    数十人編成のクラシック交響曲も、ソウルフルなブラックミュージックも、へヴィーなハードロックも、テクニック抜群のプログレもいいけど、ギター1本の弾き語りの良さというものも捨てがたいものがある。
    最後にアカペラで締めるなんていう編集感覚の良さにも脱帽の一枚であった。