今回から6回連続でご紹介するのはパチモン怪獣カード業界の異端児「サクラ」のカードである。
    おそらく今回紹介するカード一束のみで消えてしまったマイナーメーカーなのだが、そのカードはマイナーではない。
    何故なら、なんとあの、故小松崎茂氏が描いているパチモン怪獣だからなのである。

    なに?小松崎センセイをご存知ない?!モグリかよあんた!!
    小松崎茂といえば、我々世代にはニチモの戦艦シリーズやイマイのサンダーバードシリーズの箱絵を描いていた人として有名だ。名前は知らなくても画像を見ればああとかおおとかモニターの前で叫ばれるに相違ない。

    何と言うか、独特の色使いである。この色がタマラナイんだよなあ。
    デッサンが微妙に変なのも、いかがわしさがあって良い。タミヤやハセガワの箱絵が史実に忠実なカタログのようなイメージなのに対して、小松崎の描くニチモの戦艦の絵は紙芝居のようなイメージがあった。もちろん、タミヤやハセガワの忠実な絵も良いのだが、ニチモの絵はイメージが膨らむのだな。稀代の絵師であったと言えよう。





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    んでもって、本命のサクラ怪獣カードである。
    全部で7種類しかない。これが30入で一束になっているのである。束買いしてしまうと、4セットあまり2となる計算だ。
    ところが、このうち1種類は当たりカードなので、おそらく一束に2枚くらいしか入っていないのではないかと思われる。
    そうすると、レギュラー6種類が4つと当たり2枚、半端が4種類という封入になると思われるが、果たして実際はどうだったのだろうか。

    で、今回ご紹介するのは第一弾、公害怪獣スモガである。早速画像を見てみよう。

    カード下のコメントがイカしてるな。
    「石油コンビナートのある四日市では石油を精製する時に大量のガスと煙が出ます。空いっぱいに広がり目やノドが痛くなったりします。」
    まさに公害、「スモッグ」をカイセツしているわけだ。

    当時は公害怪獣ブームで、その筆頭が東宝映画の「ヘドラ」だったわけだが、その他スペクトルマンなどにも公害怪獣が登場していた。
    公害っていうのは文字通り社会の害毒なわけだから、それを怪獣にしてしまうというのはイメージ的にもやりやすいという事だろう。

    話をスモガに戻すと、先ほど説明した「当たりカード」にもスモガの勇姿が映っている。

    これがその当たりカードだ。裏面に当たりと印刷してあるのだが、なんとっ、正義のヒーローが描かれているではないか。しかもミラーマンタイプ。単独で取り上げたいくらいのインチキヒーローだな。今風に言えばミラーマソか。

    ところで我輩、このサクラの公害怪獣シリーズを見ていて、妙な既視感に襲われたのであるが、その話は次回としよう。
    ではまた。


SEP.24.2007
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