先般行われたエア軽便祭2020、周囲からも好評で成功したイベントだったと思います。参加者のひとりとして大変うれしく思います。
その一方で、初めてのSNSイベントという事で色々な課題や問題も出てきました。今日はそれについてまとめてみようと思います。
【出展側の課題】
SNS展示では、見せ方、キャプションの付け方で大きく変わってくるというのを実感しました。
仮に「いいね」を評価基準としたとき、「いいね」が多い作品には、その作品そのものの良さだけでなく、写真の撮り方のうまさとか、見せ方のうまさがあったように思います。
逆に言えば良い作品でも見せ方がもうひとつだと「いいね」が付かない。早い時間の投稿は埋もれてしまうので、「いいね」を貰いにくいという事もありそうです。拙作の「ねずきゅう」のように連投すると評価が分散するという課題もありました。
逆に「いいね」が多く付いたものが良い作品というイメージになってしまう事にも危機感を感じました。確かに「いいね」は評価のバロメーターではありますが、軽便祭はコンテストではないので、「いいね」の数だけで見ると見誤るように思います。
これは他のコンテスト、展示会などでもそうですが、評価の高いものというのは概ね、技術力に優れている、写真の撮り方も含めた見せ方がうまい、模型化した対象が良い、などの共通点があります。一方でマニアックすぎるもの、多少展示会の趣旨から逸脱しているものへの評価は低くなるように思います。
例えばウチの「ねずきゅう」はナローではありますが、フリーランスですし、さほどナローっぽくないところも多いので、その点では評価を頂けていないという可能性はあると思います。やっぱりコッペル、トロッコ、実物の模型化には敵いません。
恐れているのは、「いいね」を貰えなかったので、来年は出展を辞めようみたいな流れになってしまうことです。他人に評価されるためにやっているお祭りではありません。そこは強調しておきたいと思います。
でも実際、あまり「いいね」を貰えなかったツイートは正直悔しいと思ったりしました。いいねボタンなんて無くせばいいのにとも思いました。「いいね」だけが全てではないのですが、一度気にすると何だかずっと気にしてしまい、良くない精神状態になってしまいました。
このあたりがSNSでやるお祭りの課題のひとつじゃないかなあと思います。
自分の作品に付いた「いいね」を見てみると、9割以上鉄道模型をやっているかたでしたが、模型垢ではないかたからの「いいね」もあり、そちらのほうが嬉しく感じました。もう少し、それら外側の方々への注意喚起が出来れば良いなと思います。
今回気になったのは、リアル軽便祭での常連さんの出展が少なかったことです。KBMC、KMC、ONMCなどのモジュールクラブものは表現が難しかったのか、ほとんど投稿がありませんでした。いつも超絶モジュールでため息が出る礦林會の方々の投稿も無し。twitterアカウントを持っていないなどの理由もあるでしょうが、少し残念でした。
常連さんでは、駿遠倶楽部の方々も、くるまやさんの投稿以外目立ったものはありませんでしたね。倉林さんはお仕事の都合で不参加。磯野さんもお見受け出来ませんでした。
一方で、リアル軽便祭では恐らく出展されなかったであろう方々の投稿がたくさん見られたのは僥倖でした。地方在住でリアル軽便祭には来られないかた、グループ所属ではないので作品展示できない方々の作品が見られたのはとても良かったです。
その意味で、来年以降リアル展示に戻ったとしても、SNS参加枠を残しておいても良いのではないかと思いました。ただし、運営のかたのリツイートが大変なので、ハッシュタグ付けるだけで良いという形式で構わないと思います。
【鑑賞側の課題】
投稿総数が1500ツイート以上になり、全部を追いきれないという問題もありました。後から見返して、おっ、これいいじゃんと思った投稿も多かったです。未だに見逃している作品もあるかもしれません。
見る側の評価は「いいね」ボタン及び「リツイート」に終始していたようです。気になる作品にはレスをつけるとか、引用リツイートにするとか、そういう方向性がもう少し欲しかったように思います。
リアル軽便祭では会話が重要な要素のひとつで、オーディエンスの方々と色々会話させて頂くのが楽しいのですが、今回、それに欠けたのがSNS展示会の弱点なのかもしれません。「これ、どうやって作ってるんですか?」というのをSNSで聴くのは勇気がいりますし、文字として残したくないという事もあるかもしれません。これも難しい課題。
リアル軽便祭では、まず展示物をざーっと一望してから好みの出品物をじっくり見るという事が出来たのですが、エアではこれが出来ない。1500ものツイートを延々と追っていく作業は苦痛でした。集中力も途切れます。見る側の工夫も必要でしょうか。
ブログでまとめを書きましたが、私は「いいね」を押す前に気に入った作品はブックマークを付けました。そのほうが後で見直しやすいです。「いいね」でも後で見直しできますが、それよりもブックマークをお勧めします。
しかし、後で見直したらブックマークしそこねた作品を、まとめに書き漏らしていたりしたという事もありました。今更追加するのも何なので、そのままにしてあります。
大量のツイートを見ていくのは大変なので、出展者側の課題になりますが、ひとり1ツイートをベースにして、あとはそこにツリー形式でぶら下げていくほうが見やすくなるようにも思います。が、こういうのは必ずルールに従わない人が出て来ちゃうので難しいかもしれません。
【物販の課題】
物販系は完全に弱かったですね。祭板以外では目立った新作と言えば、ペアハンの柵原鉱山EL、アルモデルのOナロー運材台車、軽便ボギー客車程度ですか。猫屋線は沼尻タイプの告知に留まりました。コロナ問題で軌道修正したとの事。色々影響出ていますね。
ひのでんさんの桧レザーカット車両は面白かったです。
3Dプリンタ系は、私個人がまるで興味ないので割愛。もうしわけありません。
物販系のかたは、ご自分のツイートを繰り返しリツイートしないと埋もれてしまうので、難しさを感じました。あんまり宣伝を強くしても引かれるので、そのあたりのバランスが難しいですね。アル社長さんのように物販そっちのけで作品鑑賞してる人もいたようですしw
毎年買ってる南軽出版局の軽便讃歌10は、書泉グランデの通販で購入しました。
何はともあれ、エアではありましたが、無事に開催出来たことが一番良かったことです。運営の皆様にもう一度感謝しておきたいと思います。
ねずきゅう様
初めてコメントさせていただきます。今回の「エア軽便祭2020」、主催者側事務局も参加者も、「エア軽便祭ってどのようなツィートして参加すれば良いだろう?」と迷っていたと思います。結果としてはまずは「成功」だと思います。課題についてはねずきゅう様の書かれたことに賛同いたします。ツィート中は「いいね」なんて気にしていませんでしたが、翌日の感想に「いいね」の数(評価とは別と考えたいですが)についてのツィートがあり、「そういうものだったんだ」と気づきました。ツィートに対して「ここを見せてよ」とか「どうやって作ったの?」のような返信ツィートが欲しかったです。事務局様に負担にならない形で実会場開催日とは別にして続けてほしいとも思います。駿遠倶楽部では物販も試みましたが、地方の方々からの申込みもいただき、感謝しています。グループ参加に関しては駿遠倶楽部では事前にZoomミーティングを行って調整しました。来年会場でお目に掛かる事を楽しみにしています。
くるまや軽便鉄道さん
コメントありがとうございます。
確かに返信が少なかったですよね。気軽に書き込めないという事もあるんじゃないかと思います。
物販は、成果が見えないので難しいですね。在庫が減ってると売れてるんだなあとか思いますが、それがわからないという。
いろいろ課題も残りましたが、思った以上に有意義なイベントになったので、充分成功したと思っています。
来年、是非会場でお会いしましょう。