西大寺風の単端(2)

前回の続きです。チビ客車の新動力を使った西大寺風の単端が簡単に出来上がってしまったので、味を占めてもう一両作ってみる事にしました。

西大寺には、キハ3~5と同じ車体ながら猫顔スタイルのキハ1~2、有名な湘南型前面にバケットを付けたボギーのキハ6~7、そして四角いデッキ付きボギー車のキハ100と、それを2つに分割して単端式にしたキハ8、キハ10がいました。

今回は、その中からボギーをぶった切って作ったキハ10タイプを作ってみました。あまり模型化された記事を見たことのない車両です。

こちらはスハ44車体の切り継ぎです。前面も切り継ぎ加工なんですが、ベースは内緒にしておきましょう。

実車はボギー車を2つに切って単端2両を拵えたという模型みたいな車両で、寸づまり感が可愛らしいのですが、こちらはチビ客車動力を使う関係で窓1個分長くしたので、落ち着いた印象になってしまいました。なのでフリーランスと割り切って、デッキ側の窓は思い切って廃止にしてしまいました。

実物はどうやら、デッキ付き車体の中間で切断して、そこに流線形前面を新設したようです。キハ6~7のような流線形前面を再利用したと思い込んでいたので、これには驚きました。また、キハ8と10では窓配置がかなり違っているようです。

もう1両、キハ8を作る時には別の動力をあてがって、よりスケールに近い?ものを作りたいです。

9mmスタンダードでナローの車両を作るのは、意外と面白いです。サイズ的にもHOナローとあまり変わりません。特に私はGMキット改造縛りという謎の制約を付けていますので、素材を選ぶ楽しみとデザインの苦しみが面白いと思いました。
自由形では、そうやってあれこれ考える時間が一番楽しいのです。意外と作り始めると詰まらない(苦笑)

一方で、Nゲージの下回りを使う事で走行性能が安定するのはとても有難いです。
Nナローが停滞しているのは一にも二にも動力です。ロクハンのショーティーはよく走りますが使いづらい。スケールモデルは値段が高すぎるので転用が難しい。そんな感じなのでNナローは開店休業中。

そういう事もあって、しばらくは、この方向でやってみようと思います。

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西大寺風の単端を作る(1)

その昔、TMSの特集シリーズに「小レイアウトと小型車両」というのがありました。中村汪介氏による名作「三津根鉄道」のレイアウトと、好ましいスタイルの小型車両を特集した本です。

その中に「単端と客車」という記事がありました。西大寺鉄道のキハ3~5を16番で作ったもので、そのデザインのまとめ方が素晴らしく、私も16番で作った事があります。

今回、Nゲージでこれをリメイクしてみました。

そもそものキッカケはリニューアルされたチビ客車動力。これが物凄く良い出来で、低速が効き、ナローの下回りには最適と思います。が、この動力を入手した直後くらいにHOナローの廃業を決めたので、結局下回りは使わずじまい。そのうちOn18用に使おうかと温存していました。

この動力を使ってNゲージの小型車両を作ろうと思い立ち、第一弾としてキハニ5000タイプを制作。これが妙に気に入って、もう1両小型の気動車を作ってみようと思ったときに、三津根鉄道の単端を思い出したというわけです。

ボディはグリーンマックスのクモハ41を切り継ぎ、窓桟を切り取って1枚窓にしています。前面は同じくGMキットのクモハ11用。後妻板も旧国キットの余りパーツを使っています。屋根は旧型国電用を使い前面のみエポキシパテ整形で形を出しました。
ベンチレーターはGMのガーランド型。
ヘッドライトは火あぶりランナーからでっち上げ。ドアやラジエターグリルはプラ板から作っています。

 

この車両から「小型車ニハ運転手ト乗客ヲ乗セルベシ」という新しい規定を作りましたので、とりあえずジオコレのザ・人間シリーズから適当に取り付けています。意外と目立つので、今後も積極的に人形を使っていくつもりですが、製品は高価なので自作も検討中。

下回りはチビ客車動力ですが、前側をギリギリまで削っています。そこにKATOカプラーをポケットごと接着。後ろはチビ客車のままです。

チビ客車動力は車体にはめ込むのが難しく、何度も落としてしまい、手すりが折れてしまったので、荷台ともども網目板と真鍮線から作り直しています。

Nゲージの小型車両はビンテージものを中心に結構所有していますので、これらを活用出来る小さなレイアウトの作成を目論んでいます。そのため、三津根鉄道にあやかって、「ねずきゅう木津根線」と名乗る事にしました。

しばらくはこの路線で小型車両を作っていこうと思います。
この車は大のお気に入りになりました。味を占めてもう一両作ってあるのですが、その話はまた次回。

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