今年作った車両とレイアウト

今年は更新を頑張ろうと思いましたが、予想どおり全然更新できませんでした。

理由はいくつかあります。

Twitterで作例報告すると、ほぼそれで満足してしまう(最大要因)
blogだからと思って文章に気合が入ってしまい、全然書けない。
同様に、ちゃんと写真撮らなきゃアカンと思って、全然撮れない。
書いても反応薄いからやる気がなくなる。

まあ、そんなところです。

でも、最近Twitterの挙動が怪しいので、データ保存という意味も含めて来年はもう少しちゃんと更新してみようと思います(思うだけにならないようにw)

さて、今年は結構車両もレイアウトも作りました。

左上から

国鉄EF60 901 (Nゲージ自由形)
国鉄8610形 8615(Nゲージ自由形)
国鉄8610形 18617(Nゲージ自由形)
国鉄キハ40000(Nゲージ)
国鉄DC91(Nゲージ自由形)
ねずきゅうモハ100型(Nナロー自由形)
ねずきゅうガソ1(Nナロー自由形)
国鉄オハ30タイプ(Nゲージ)
細倉鉱山タイプ人車(On18)
西大寺風単端2両(偽ナロー)
クラウス風ミニSL(偽ナロー)
西大寺風客車2両(偽ナロー)
偽ナロー用パイク(製作中)
車両撮影用簡易お立ち台(製作中)

このほか製作中のものもたくさんありますが、BLOGで発表したのは細倉の人車と単端2両だけでしたね。
来年はこれらの車両の紹介から始めますか。仕掛中の自由形485系も製作記を書いていこうと思っています。

では、皆さま少し早いですがメリークリスマス&良いお年を。

Share this...

オハ31系客車の表記で悩む

オハ31系のリメイクをやっているんですが、なかなか進みません。うだうだやっているうちに梅雨になってしまい、塗装が出来なくなりました。いつもこんな感じで全然進まないんですけれども、もう少しなんとかしないとダメですね。

で、客車の表記についてです。まずは表を見てください。

いわゆる10系軽量客車以前の「旧型客車」はその時代によって車体表記がかなり異なります。ですから、時代考証とかをきちんと考えようとすると、どの時代の塗装やレタリングにするかでかなり悩まされる事になります。

KATOのオハ31系は赤帯の入ったスタイルで販売されていますが、これは昭和14年以前のものになります。つまり、C57の二次型のように昭和15年以降に製造された機関車だと、赤帯付き客車を牽引させるのは変という事になります。

そもそも戦後の国鉄を考えるのなら、まず赤帯は無しという事になりますね。まあ、それはいいでしょう。

昭和34年の、ぶどう色2号の登場とともに、三等マークが消えます。一度に全車変更したわけではないと思いますから、ぶどう色1号+三等マークの車両と、ぶどう色2号の車両の混成編成があってもおかしくないと思います。ただ、この時車体表記も違ってきます。

昭和27年から、所属表記が形式番号の上に書かれるようになりました。さらに形式記号と番号が横並びに書かれるようになります。そして、昭和34年のぶどう色2号登場時に、所属表記は現在の車体隅に移動します。うーん面倒くさい(笑)

で、オハ31です。

ウチのレイアウトは昭和40年代から50年代前半を想定しているので、オハ31系は時代にそぐわない感じです。ただし形式消滅したのは昭和41年なので、ギリギリ何とか入線出来ない事もないという感じ。

そうなると、ぶどう色2号にして三等マークは無しというスタイルになりますね。この時代の最末期のオハ31は、二重屋根の明かり窓が潰されており、かなりみすぼらしいスタイルになってしまっています。それも面白いと思うので、1両はそのスタイルにしましょうか。明かり窓潰すのがスゲー面倒くさいです。

明かり窓を潰した最末期のオハ31。ぶどう色2号で塗るとなんかダサい感じが強調される気がします。屋根のグレーがおかしいですね。煤で真っ黒に汚れた感じにウェザリングをしたいです。

あまり車体改造しないで、塗装だけを塗りなおしたいとなると、昭和27年から34年までの表記にするのが汎用度が高くて無難と思います。ぶどう色1号、所属表記が形式番号の上。三等マークあり。問題は、そういう市販レタリングがない(あるかもしれないけど、簡単に手に入らなそう)という事。自作デカールで行くしかないですかね。これも面倒くさいなあ。どうせセミフリーですから所属は「関スイ」にしちゃおう(笑)

こちらはオハ31改造のオハフ30。緩急車が無いのがKATOラインナップの気に入らないところ。車掌室の加工、妻板の加工をしたほか、明かり窓を開けています。ぶどう色1号で塗りなおしています。

もう一両はシングルルーフのオハ30。木造車の鋼体化でノーシルノーヘッダーという出で立ちです。単にリベットとシルヘッダーを削ってGMの丸屋根を切り繋いで乗せただけですが、実車は窓サイズがスハ32系と同じで少し縦長なので、独特の風貌がうまく再現できませんでした。これはいずれ作り直しかなあ?

***

KATOにはオロ30という、少し特殊な2等車があります。試作車両として2両しか作られなかったもので、オハ31系の2等車としてはオロ31のほうが一般的です。
ただ、意外と長命で、昭和36年に格下げとなってオハ27に編入されるまで残りました。

ぶどう色2号にしてオハ27にするのが1つ。オロ31のままにするなら、オハ31と同じく昭和27年以降のスタイルにするのが良さげですね。2等帯は青1号。こちらはまだ未加工です。格下げオハなら明かり窓をつぶして、オロのままなら明かり窓を開けるようにしましょう。

もう1形式、オハニ30があります。こいつは合造車なのでオハ31系の中では長生きしました。昭和42年に全廃ですので、ぶどう色2号のスタイルもありです。最末期にすれば、青15号の客車たちとも繋げられそうです。こちらも未加工。妻板の加工など、手を入れるところがたくさんありそうです。

これら未着手の車両たちも再塗装をしてレタリングなんですけど、インレタが無いので自作デカールを検討中。まだまだ先は長そうです。

 

 

Share this...

西大寺風の客車

うっかりしていたら2ヶ月も更新サボっていました。艦これのイベントが始まると他の事が疎かになりますねえ(苦笑)

それはさておき。

先般作成した西大寺風の単端ですが、西大寺鉄道っていうと単端がオープンデッキのボギーの客車を何両も牽いている写真が目につきます。これを何とか再現しようというわけで、手持ちのバルク材を使って2両の客車をでっち上げてみました。

1両目はスハ44のボディを窓4枚分で切り、2枚つなげたものを側面にしています。

屋根は丸屋根のスハ32用の切り継ぎ、その上にモニター屋根風にプラバンを貼ってあります。台車はKATOのコキ5500用。TR63というベッテンドルフ崩れの形ですが、まあ菱形台車に見えないこともないです。この段階では大げさなブレーキシューが付いていますが、最終的には切り取ってしまいました。

2両目はスハ32の側面を窓10枚分で切っています。これでだいたい1両目と同じサイズになります。屋根は同じくスハ32用。こちらの台車にはTR24を使いました。鋳造菱形台車とも言えるもので、ワキ1で採用されたもの。チキ1500にも使っています。

デッキはキッチンのチビ客車改造用パーツです。以前作ったものの再利用なので多少歪んでいますが気にしません。屋根も再利用なので妻板部分が茶色く塗られていますが、最終的にここは左のようにプラバンで蓋をしてしまいました。

特に難しい加工もなくあっという間に完成。塗装に時間が掛かってしまいました。車体はブドウ色2号に白帯。白を先に塗ってからマスキングしてブドウ色を塗っています。この車はスハ32を使ったので裾にリベットがあるんですが、下地仕上げの時に不用意に削ってしまったようです。こういうのは完成してから分かりますね。困ったもんですが、肉眼では気にならないのでこれでOKとしています。

屋根は自家調色の屋根色。思い切り艶消しにして、多少まだらに吹く事でウェザリング効果も兼ねています。

台車が大きいのでバランスが悪いんですが、往年の16番フリー客車っぽい感じに仕上がったので満足しています。あと2両くらい作りたいですね。それには台車とデッキ手すりがネックです。TR24は10m級客車には大きすぎるので、もう少しホイールベースを短くするか、車輪径を小さくしたいですね。そもそもNゲージ用のTR24はなかなか手に入りません。アルモデルのアーチバー台車に4mm径車輪のものがありますので、これを使うのが良さげです。次は採用しようかな?全く同じものを増備しても面白くないので、またGMキットを切り刻んで変な客車を増やす事にしましょうか。

とりあえず2両を先日作成した西大寺の単端につなげてみると、実に良い感じに仕上がりました。

下回りにキングポストを付けて塗装し、窓ガラスとレタリングを入れたら完成になります。GW中には終わらない気がします(苦笑)

Share this...

西大寺風の単端(2)

前回の続きです。チビ客車の新動力を使った西大寺風の単端が簡単に出来上がってしまったので、味を占めてもう一両作ってみる事にしました。

西大寺には、キハ3~5と同じ車体ながら猫顔スタイルのキハ1~2、有名な湘南型前面にバケットを付けたボギーのキハ6~7、そして四角いデッキ付きボギー車のキハ100と、それを2つに分割して単端式にしたキハ8、キハ10がいました。

今回は、その中からボギーをぶった切って作ったキハ10タイプを作ってみました。あまり模型化された記事を見たことのない車両です。

こちらはスハ44車体の切り継ぎです。前面も切り継ぎ加工なんですが、ベースは内緒にしておきましょう。

実車はボギー車を2つに切って単端2両を拵えたという模型みたいな車両で、寸づまり感が可愛らしいのですが、こちらはチビ客車動力を使う関係で窓1個分長くしたので、落ち着いた印象になってしまいました。なのでフリーランスと割り切って、デッキ側の窓は思い切って廃止にしてしまいました。

実物はどうやら、デッキ付き車体の中間で切断して、そこに流線形前面を新設したようです。キハ6~7のような流線形前面を再利用したと思い込んでいたので、これには驚きました。また、キハ8と10では窓配置がかなり違っているようです。

もう1両、キハ8を作る時には別の動力をあてがって、よりスケールに近い?ものを作りたいです。

9mmスタンダードでナローの車両を作るのは、意外と面白いです。サイズ的にもHOナローとあまり変わりません。特に私はGMキット改造縛りという謎の制約を付けていますので、素材を選ぶ楽しみとデザインの苦しみが面白いと思いました。
自由形では、そうやってあれこれ考える時間が一番楽しいのです。意外と作り始めると詰まらない(苦笑)

一方で、Nゲージの下回りを使う事で走行性能が安定するのはとても有難いです。
Nナローが停滞しているのは一にも二にも動力です。ロクハンのショーティーはよく走りますが使いづらい。スケールモデルは値段が高すぎるので転用が難しい。そんな感じなのでNナローは開店休業中。

そういう事もあって、しばらくは、この方向でやってみようと思います。

Share this...

西大寺風の単端を作る(1)

その昔、TMSの特集シリーズに「小レイアウトと小型車両」というのがありました。中村汪介氏による名作「三津根鉄道」のレイアウトと、好ましいスタイルの小型車両を特集した本です。

その中に「単端と客車」という記事がありました。西大寺鉄道のキハ3~5を16番で作ったもので、そのデザインのまとめ方が素晴らしく、私も16番で作った事があります。

今回、Nゲージでこれをリメイクしてみました。

そもそものキッカケはリニューアルされたチビ客車動力。これが物凄く良い出来で、低速が効き、ナローの下回りには最適と思います。が、この動力を入手した直後くらいにHOナローの廃業を決めたので、結局下回りは使わずじまい。そのうちOn18用に使おうかと温存していました。

この動力を使ってNゲージの小型車両を作ろうと思い立ち、第一弾としてキハニ5000タイプを制作。これが妙に気に入って、もう1両小型の気動車を作ってみようと思ったときに、三津根鉄道の単端を思い出したというわけです。

ボディはグリーンマックスのクモハ41を切り継ぎ、窓桟を切り取って1枚窓にしています。前面は同じくGMキットのクモハ11用。後妻板も旧国キットの余りパーツを使っています。屋根は旧型国電用を使い前面のみエポキシパテ整形で形を出しました。
ベンチレーターはGMのガーランド型。
ヘッドライトは火あぶりランナーからでっち上げ。ドアやラジエターグリルはプラ板から作っています。

 

この車両から「小型車ニハ運転手ト乗客ヲ乗セルベシ」という新しい規定を作りましたので、とりあえずジオコレのザ・人間シリーズから適当に取り付けています。意外と目立つので、今後も積極的に人形を使っていくつもりですが、製品は高価なので自作も検討中。

下回りはチビ客車動力ですが、前側をギリギリまで削っています。そこにKATOカプラーをポケットごと接着。後ろはチビ客車のままです。

チビ客車動力は車体にはめ込むのが難しく、何度も落としてしまい、手すりが折れてしまったので、荷台ともども網目板と真鍮線から作り直しています。

Nゲージの小型車両はビンテージものを中心に結構所有していますので、これらを活用出来る小さなレイアウトの作成を目論んでいます。そのため、三津根鉄道にあやかって、「ねずきゅう木津根線」と名乗る事にしました。

しばらくはこの路線で小型車両を作っていこうと思います。
この車は大のお気に入りになりました。味を占めてもう一両作ってあるのですが、その話はまた次回。

Share this...

Nゲージレイアウトの製作(4) デッキガーダーを作る。

さて、新年一発目の工作は久々にNゲージレイアウトを弄ります。昨年暮れは車両ばかりやっていたのですが、そろそろレイアウトの方も本腰を入れないと完成しなくなりそうです。

駅側から見て右上のコーナーには、旧レイアウトで作った橋脚があるんですが、ナロー用だったので木造橋脚でした。これでは具合が悪いので、市販のデッキガーダーを買って来ました。

KATOのものはカーブ対応がありますので、それにします。ガーダーの色は悩んだ末にグレーを選択。これを3個繋げて丁度良い感じ。橋脚は丸型が用意されていますが、出来れば楕円形が使いたい。となると、橋脚はTOMIX製を使ってハイブリッド?鉄橋を作るしかありません。

TOMIXの橋脚はパーツを重ねて高さを調整できるようになっていて良いのですが、その分、重ね部分の出っ張りが実感を損ねてしまいます。そこで、出っ張りを削って全体をグレーで塗ってみました。側面はレンガ張りなので、元のカラーのままウェザリングで調整。

ここにKATOの単線用架線柱の橋脚基部を接着し、架線柱を差し込めば出来上がり。

早速レイアウトに設置してみます。まあ、こんなもんか。

接地する部分は周囲を紙粘土で固めておきます。ここら辺のディテールアップは最後にまとめて実施の予定。

架線柱は基部に差し込んであるだけですので、抜けば非電化になります。このあたりはボシさんのレイアウトを参考にして、電化/非電化両方に対応できるようにする予定。

 

Share this...

今年もよろしくお願いします。

昨年はNゲージ中心に工作をしてきました。
今年はもう少しナローに寄せていければいいなと思っています。

とか言いながら、年末年始の工作はバックマンのドックサイドのリメイクをやっています。下回りにアルモデルのBタンク動力をあてがって、走行性能を安定させようという目論見。

動輪径が小さくなってしまいますが、何とか纏まりそうです。
お供のトラはベタですが、お年始モードで。(来年は豚積車かよ?w)

では、今年もよろしくお願い致します。

 

Share this...

2021年を振り返って

コロナ2年目の2021年もあっという間に終わろうとしています。
残すところ数日になりましたが、今年最後の更新として、2021年を振り返ってみたいと思います。

新年は、前年暮れからやっていたTwitterの新春荷電祭りに参加し、クモユニ74と81の2両を完成させました。祭り自体は主催者のかたが突然Twitterを辞められてしまい、尻切れトンボのようになってしまいました。

参加者の中で車両を完成させたかたも半分くらいしか居なかったかな?なんか中途半端なイベントでしたが、ネットのトラブルには関わりたくないので主催者のかたの何が問題だったのかは知りませんし、興味ありません。

個人的にはクモユニ74で結構自分なりに詰めた工作が出来たので満足しています。これが切っ掛けというわけでもないのですが、今年はNゲージ中心の1年になりました。

5月にはOn18で足尾フォードタイプを作り、平行して3年がかりになってしまったペアハンのドラム缶ロコも完成させました。ブログに完成記事を出すのを忘れていましたが、ナローはこの2両だけです。

その後、重度の模型鬱になってしまい、3ヵ月くらい何も手につかず。買ったのもノス鉄くらい。秋の軽便祭にも新しい出展が出来ず、旧作でお茶を濁しましたが、それなりの反応が頂けたのが嬉しかったです。

9月に還暦と定年を迎え、趣味生活の転換期となりました。今後は如何にお金を使わずに楽しめるかにシフトしていきたいと思います。

10月から、HOナローのレイアウトを解体し、台枠再利用でNゲージレイアウトを作り始めています。相変わらず牛歩のあゆみなのですが、のんびりやっています。たまには進捗状況の報告をしなくてはいけませんね。エンドレスが引けちゃうとすぐに遊んじゃって手が進まない悪い癖を何とかしなくては。

11月にはGMの73系全金車4両を作りました。古いキットのリメイクなので、今時のNゲージと比べると大雑把なディテールですが、今の私には丁度良い感じがしています。

さらに12月になって、GMキットを切り刻んでキハニ5000を作りました。これはTwitterでも高い評価を頂きました。自分でも良い出来になったなと思います。Nゲージの小型車路線は当分続けていきたいと思います。今製作中のものも、年明けには発表できるでしょう。

来年は仕掛中のNナローを仕上げないといけません。車両7割、レイアウト3割くらいの感覚で作っていけたらいいなと思っています。

それでは、少し早いですが、本年度最後の更新にしたいと思います。
皆様よいお年を。来年もよろしくお願い致します。

 

 

Share this...

GM73系全金車を作る

グリーンマックスの古い73系全金車のキットを作ってみました。

「ゲタ電」73系は旧型国電の中でも一番親しんできた電車です。旧型国電全盛時代、神奈川県に住んでいた私には、横浜線、南武線、鶴見線、御殿場線で走っていた73系が最も親しみのある旧国でした。

中でも全金車はノーシル・ノーヘッダーの車体がとても綺麗で、武骨な旧ロクサン型とは対照的な印象がありました。

73系全金車は、NゲージではTOMIXが模型化していますが、常時入手できるというわけでもなく、中古も潤沢に出回っていないので見かけたら買うくらいの事しかできません。来年2月にHG仕様の5両編成が製品化されますが、基本セットがクハ79-920×2+モハ72-920×3、増結セットBがクモハ73+サハ78+クハ79-300という鬼畜仕様。なんでクモハ+サハ+モハ+クハのセットにしないかね?
両方買うと定価で3万5千円。ちょっと手が出ません。

鉄コレの73系は、中央東線に近代化改修のモハ72が入っているだけで、全金車はもとより他のバリエーションすらありません。73系としては、私鉄に行った小田急1800とか山陽電鉄、東武の車両があったくらいです。国鉄のオリジナルはTOMIXで模型化しちゃったので鉄コレでは出しにくいという事でしょうか?

そんな中、昔から存在していたのがグリーンマックスの全金車キットです。板キットではなく一体型成型のキットでした。バリエーションとして小田急1800があり、これも鉄コレが出すまでは、ガレージキットを除いては唯一だったと思います。

しかしこのキットは色々問題がありまして、現在では絶版になっているようです。改造ベースに丁度良いのでリメイクして欲しいものです。全面変更で板キット化してくれるとさらに良いのですけどねえ。板キット化して前面を3パターンくらい用意して貰えれば、ロクサン型のキットと合わせてかなりのバリエーションが作れるのですが。

それはさておき、問題のキットを見てみましょう。クモハ73、モハ72、サハ78、クハ79の4種類が製品化されています。この4両編成を茶色1色で仕上げてみたいと思います。

実物写真を参考にしながら修正箇所を見ていきます。こういう時は、宮下洋一さんの「写真とイラストで綴る 国鉄72・73系電車」がベストです。これ1冊あれば73系製作には困らないです。みんな買いましょう。電子版も出てますし。

・サハ78


まず、サハ78。ノーシルノーヘッダー車は存在しません。「実際にはこのようなサハは存在しませんでしたが、模型の世界では編成を整える為ぜひ必要なもの」だそうです。
この頃のGMには、こういう思想的な模型がありましたね。

もしサハ78にノーシルノーヘッダーの全金車があったらという想定で作ってみることにします。そうやって割り切れば、特に改造点は無し。
新製全金車というより全金改造車ですかね?モハ72の全金改造車から80系のサハ87に動力を譲り電装解除したものが実在します。そのバリエーションという事にして、台車はTR48にしましょうか。形式はサハ78600としてみます。

・モハ72

全金モハ72920番台として見ると、色々違います。
全金車は雨樋が埋め込み型なので、まずここが違う。戸袋窓の位置も間違っています。あと、初期車を除いて窓隅にRが付いていますので、これも違います。「雨樋を内側にかくしたなめらかな側板は独特の美しさがありました」って書いてあるのに雨樋がついてるのは何でだぜ?(笑)

全金改造車として見てみると、これが一番近いようですが、決定的な問題としてパンタが逆側に付いています。ドアの開閉方向と逆になっちゃっています。これはダメですねー。実は、実車にも1両だけ逆側にパンタが付いた(戸袋窓の付き方が逆と言うべき?)モハ72110があるんですが、それを模型化するしかないんでしょうか?。

が、ドアが全部プレスドア!なんで?!クモハとクハは違うのに!!これの改修は大変ですが、何とかするしかないでしょう。プレスドアを埋めます。瞬間接着剤を流してやすりで整形しました。あと、少し目立つ加工として、パンタ側のドア横に手すりを植えています。他の手すりと表現を均一にするため、伸ばしランナーで作った手すりを接着しました。

また、1個だけプレスドアが付いている車両とかは実在しますので、ひとつだけ残してみました。番号はモハ72110です。

・クモハ73

クモハ73には量産型全金車というのは無く、近代化改造車及びモハ72からの先頭車改造車という事になります。ノーシルノーヘッダーで、前面方向幕ありのタイプという事になった場合、キットのように前面に配管が這っておらず埋め込み式になっているものが多いです。唯一、作用管(前面向かって左)だけ残っているのが500番台で、これに改造するのが一番簡単そうです。向かって右の母線だけ削ることにしました。

前面から配管を削り、ついでに屋根の配管も短く加工。形のおかしい避雷器を切り取ります。また、この車体は何故かパンタグラフ用の穴が開いていません。ベンチレーター穴を埋めてパンタグラフ用の穴を2個開け直しました。

さらに、乗務員ドアが木製タイプなので、ドア下の段付きの部分をプラ板で埋めます。本来ならば側面とツライチなので、別パーツのドアで塞ぐほうが簡単ですが、そうなると今度は手すりも埋め込み式に変えたくなります。そこまでやるのは面倒なので辞めました。車番はクモハ73507とします。

クモハ73は2両入手出来ましたので、もう一両は更に配管を削り方向幕を埋めてみました。こちらは片町線仕様になる予定。

・クハ79

モハ72同様、全金車とすると雨樋と窓隅のRが違います。クハ79のノーシルノーヘッダー車は全金車しかありませんので、雨樋を削り落としました。
窓隅Rの無い全金試作車の、クハ79924としてみました。

まあ、そんな感じでミスだらけなので現在は廃版になってしまったようなのですが、是非とも新設計の板キットとして復活させてほしいです。

***

下回りはキットのものを使うつもりでしたが、台車の動きが渋くて結構脱線してしまいます。台車を付けたり外したりしていたらボルスターの床板側の穴が割れまくりました。仕方なく、手持ちのGMキットの余りの床板を使いました。したがって床下機器も新しいものに変えています。

ここ、いつも思うのですが、プラ製のピンじゃなくてHOのように段付きネジにならないですかね?安定度が全然違います。幾つかの台車はネジに交換しています。

動力装置は鉄コレ用を使いました。両サイドにゴム系接着剤で高さ7mmの1mmプラ板を接着しただけ。窓ガラスの下部に高さを合わせる感じです。そこに両面テープを貼って車体に接着しています。先頭車側はボディマウントのTNカプラーにしますが、窓ガラスと干渉するので、ガラスの下側を欠き取りました。連結面側は台車マウントのTNカプラーです。

付随車は全て台車マウントのTNカプラー。反対側のクハ79の前面はボディマウントのTNカプラーです。

***

グロベンを加工する。

キットのグロベンはカバーの角が落とされている新型です。73系のグロベンは、全金車以外初期型のものが多く、カバーが直立しているタイプですが、残念ながらGMのパーツにはありません。そこで、加工して初期型っぽく見えるようにしました。プラパイプを細く切って、グロベンはドリルレースでパイプ内径まで削って嵌めるだけの簡単な加工ですが、結構それっぽくなります。もう少しプラパイプを肉薄にしたいところですが、武骨なGMキットには少し厚いモールドのほうが似合っているようにも思います。

この加工を行ったのはクモハ73のみです。

アルミサッシを加工する。

全金車なので、サッシはアルミです。でも、なんかアルミサッシっぽく見えないんですよね。中桟が太いというのもあるんですが、窓の縦枠が見えているっていうのも影響しているようです。サッシ窓の場合縦枠は見えないくらいの出っ張りしかないので、これを削ってみました。

やって後悔。超面倒くさい割にスッキリ見えませんでした(苦笑)

ヘッドライトを加工する。

ヘッドライトはくり抜いて透明プラ棒を刺します。点灯式にはしません。テールライトは塗装のみで誤魔化しました。

さあ、これでだいたい完成です。まだまだ凝ろうと思えば幾らでも出来ますが、この車両に過度なディテールアップは似合わないと思いますので、このあたりでお開きとしました。

***

塗装は、まずサーフェサーを吹いて加工部分の確認。特にプレスドアの埋め跡が目立たないようになるまで修正しました。完全に消すのは難しいですね。

その他加工部分の傷などを確認してから本塗装です。ブドウ色2号単色なので楽でした。屋根色を塗ったのち、サッシに銀を入れます。本当は車体側は銀で塗るべきではないんですが、構造的に窓枠だけ綺麗に塗るのは至難の業。仕方なく窓全体を銀で塗っています。

最後にベンチレーターを塗って接着。これで完成です。

下回りは黒一色。軽くウェザリングしておしまい。新型の床下機器セットが待ち遠しいですね。ちょっと高いですけど。

インレタはGMのものを使用しました。所属区標記は適当なものを付けています。

最後にGMのPS13を付けて完成。のべ1週間程度の作業でした。

使用したパーツ

・GM クモハ73・クハ79キット(中古)
・GM モハ72・サハ78キット(中古)
・GM DT13台車×1 TR48×2
・GM PS13黒×2
・GM バルク床板 旧型国電用床下機器
・トミーテック 動力ユニット TM-17
・TOMIX TNカプラー JC0349&0381
・GM 73系用インレタ
・GM ぶどう色2号/淡緑1号
・ジェイズ スエード調塗料

トータルコスト 1万円弱

製作期間 2021年10月~11月

Share this...

鉄道省キハニ5000の製作

キハニ5000は黎明期の戦前型気動車で、二軸の下回りに鋼製の重厚な上回りが乗った、お世辞にも軽快とは言えない車両です。
試験的な意味合いが強かったようですが、12両製造され全国に配属されました。
小さいくせに荷物合造車で、小型レイアウトなどには最適と思うのですが、何故か製品には恵まれていません。16番ではつぼみ堂、フクヤマモデル。Nゲージではワールド工芸くらい。

鉄道模型を始めた小学生の頃、つぼみ堂のキハニ5000が欲しくて仕方なかったのですが、残念ながら入手敵わず。ペーパーで自作したものの、動力装置に難儀して良く走りませんでした。小学生ですから仕方ないですが、いつか再チャレンジしようと思いつつ、そのままになっていました。

***

昨年、KATOのチビ客車動力がリニューアルされ、HOナロー用に幾つか買い込んだのですが、その後すぐにHOナロー廃業を決めたので使わずじまい。そのまま棚の奥にしまい込んでいたものを、先日掃除した時に発見し、現在制作中のレイアウトで試走させてみるとこれが良く走る。スローも利いて以前のものより格段に良い動力になっていました。

じゃあ、これを使って何か小さいのを作ろうってんで、まず思いだしたのが前述のキハニ5000です。ノス鉄で出るんじゃないかと思っていたんですが、ノス鉄第二弾は別の方向に行っちゃったので、自作してみようと思いました。50年来のリメイクという事になります(苦笑)

いつもの通りTMSの「陸蒸機からひかりまで」をひっぱり出し、キハニ5000のイラストにチビ客車動力をあてがうとピッタリです。これに気を良くして上回りの物色。

窓まわりはGMのスハ44から応用できそうです。ドアは同じくGMのクモユニ81を使うと何とかなりそう。両方ともバルク材のパーツが余っていましたので、これを切り継ぎ加工して上回りをでっち上げました。厳密にはドア幅などが一部違いますが気にしない。ガチなスケールモデルを作るわけではないので、雰囲気が似ていればOKです。その意味ではキハニ5000タイプなのです。

この車、非対称な上に、左右で窓配置が全然違うという曲者なんですね。実は今年の5月くらいに一度車体を作っていたのですが、まさか窓配置が違うとは思わなかったので、同じ仕様で作ってしまい、そのあと実物写真を見て気が付いて作り直したという情けない顛末があります。スケールモデルを作る際には、最低四面図か、それに順ずる写真の入手が必要という、当たり前のことを痛感しました。

屋根もスハ44用で、オデコの部分はエポキシパテから造形しています。

印象的なラジエター部はプラ板から。そこから車体前面を這って下まで伸びていくパイプや、背面の支え棒、窓上の水切りは全て伸ばしランナーで表現。
特徴的なタイフォンや解放テコも全て伸ばしランナーです。ランナー再利用&線材省略で安く仕上げようという魂胆。意外と何とかなるもんです。

ヘッドライトはGM旧型国電のキットからパーツをいただき、中をくり抜いて銀で塗り、ガラスはエポキシ接着剤で埋めて表現しています。古い手法ですが、この手の旧型車両には良い感じ。点灯化も考えましたが、新型チビ客車動力は配線に向かない構造になってしまい、分解しないと配線出来ないので断念しました。昔の動力が簡単に点灯化出来る構造だっただけに、ちょっと残念ですね。

下回りはデッキの手すりを切り取り、バッファーを抜いただけ。モーターを隠している下回りの出っ張りに、プラ板から適当に切った枠を貼りつけてエンジンっぽい感じにしてみました。

カプラーはKATOカプラーに交換しています。上回りの嵌めこみ構造が上手く作れなかったので、シンプルに両面テープで車体に貼り付けました。

塗装はブドウ色に赤帯にするか、戦前型の二色塗装にするかで迷いましたが、目立つように二色塗りにしてみました。本来は黄褐色2号と青3号ですが、どちらも実物を見たことが無いので、西武用のベージュと青15号で代用しました。いずれもう一両作る機会があれば、今度はブドウ色にしたいです。

屋根はいつもならスエード調塗料かジャーマングレーなのですが、これは割と明るいイメージがありましたので、手持ちのグレーの中から軍艦色を塗ってみました。

最後にレタリングを適当にちりばめ、窓ガラスを貼って完成。
前面に車両番号だけが付くのですが、この部分はインレタの貼り付けが難しかったので、デカールに転写してから貼り付けています。

今回から窓ガラス接着にセメダインのハイグレード接着剤を使っています。これ、透明パーツの貼り付けに持ってこいなのでお勧めです。

気軽に作り始めたのですが、自分でも思いのほか良い出来になったので大満足です。Twitterでも異例のイイネとリツイートをいただきました。わたしの代表作のひとつになるでしょう。

使用したパーツ

・GM クモユニ81 車体バルク材
・GM スハ44 車体バルク材
・KATO チビ客車動力
・KATO ナックルカプラー
・アルモデル 客車用インレタ
・GM ベージュ/青15号
・クレオス 軍艦色2

トータルコスト:3800円程度

製作期間 2021年11月~12月

Share this...